東急建設は、大規模商業施設に設置したレインガーデンとバイオスウェルのモニタリング実証を行い、雨水の流出を抑制効果を確認できたと明らかにした。
東急建設は2024年9月3日、東京都町田市の大型商業施設「グランベリーパーク」で、レインガーデン(雨庭)とバイオスウェル(雨の道)の効果に関するモニタリング実証を行い、雨水流出抑制効果を確認できたと明らかにした。
実証では、運用中のレインガーデンとバイオスウェルが雨水を浸透し、雨水の流出抑制に寄与していることを確認した。また、雨水の浸透量については雨水貯留浸透技術協会の技術指針の手法により設計計算が可能だと示唆されたとした。
さらに、既存施設の雨水貯留槽などと連携することで、限られた敷地でも雨水流出抑制と雨水の再利用を効果的に行える可能性が示された。
東急建設によると、これまで運用開始後に性能を評価した事例はほとんどなく、今回の成果は今後、グリーンインフラの社会実装を促進する上で有用なデータとなるとしている。
今回の取り組みは、2023年度の国土交通省「グリーンインフラ創出促進事業」に採択され、2023年4月から2024年3月にかけて実施したもの。今回、実証完了を国交省に報告し、受理された。
グリーンインフラ創出促進事業は、民間企業などの新しいグリーンインフラ技術やサービスの実用化に向けた研究開発を支援する公募事業。自然環境の多様な機能を利用するグリーンインフラ技術によって、CO2吸収量の確保や生態系の保全、雨水貯留や浸透による防災/減災、健康でゆとりある生活空間を形成することを目的としている。
東急建設は今後、2024年度事業に採択された「里地里山遊閑地の湿地化による雨水貯留機能と生物多様性に関する評価」で、グリーンインフラの多機能性を実証する。計測実証データの蓄積による設計・施工技術の開発や、多様な用途や規模の施設におけるグリーンインフラの導入方法なども検討する。
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