新技術は、国土交通省東北地方整備局発注の「国道121号湯野上2号トンネル工事」で実証実験を行い、遠隔での動作を確認した。
切羽側には、ロボットアームや距離センサー、カメラを搭載した12メートルクローラ式高所作業車を設置。高所作業車を含め全装置が遠隔操作に対応し、切羽面へ系統的にアプローチした。安全機能として、ブレーキ付きハンドルとリモート操作可能な緊急停止/復旧機能も装備した。
実証では、切羽から約200メートル離れた場所に設置した遠隔操縦室から岩盤を打撃し、従来のハンマーによる打撃検査と近い感覚で岩盤の硬軟を認識できることが分かった。担当者によると「実際に現場で岩盤をたたいたところ、凝灰質砂岩とデイサイトを明確に区別できた」という。
今後は室内実験をメインに、圧縮強度の定量的な評価手法の確立に取り組む。さらに、打撃時の物理データを数値として蓄積することで、技術者の経験に依存せず、取得した数値データだけで安定的に岩盤を評価できる手法の開発にも着手する。
将来はトンネル工事だけでなく、立ち入り制限区域での地質調査、危険箇所の物性判定への活用なども視野に入れる。
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