東急建設は、山岳トンネル工事の安全性を高めるため、「切羽遠隔監視システム」にAI映像解析機能を導入する。
東急建設は2025年11月6日、日本テクノ・ラボ、マックと共同で、トンネル工事用の「切羽遠隔監視システム」にAI映像解析機能を新たに組み込み、監視機能を強化すると発表した。国土交通省近畿地方整備局発注の「有田海南道路1号トンネル工事」(和歌山県有田市〜海南市)で実運用を開始する予定。
新機能は、AIによる人検知技術を活用し、切羽近傍や重機作業エリアといった危険箇所への作業員の侵入をリアルタイムで把握する。日本テクノ・ラボの映像統合監視ソフトウェア「FIREDIPPER」を映像サーバに搭載し、AIサーバと連携。学習済みのAIサーバが現場映像をリアルタイムで解析し、作業員が危険箇所に立ち入った場合、映像サーバに即時通知する仕組みだ。切羽監視責任者は警報装置や拡声器を通じて迅速に退避指示を出すことが可能となる。
AI映像解析機能は、既存の重機搭載カメラや後方監視カメラなど機種を問わず導入できる。
切羽遠隔監視システムは、監視カメラと集音マイクを搭載した重機から、4K映像と音声を専用の無線で後方の監視車両へ伝送する仕組み。切羽監視責任者は、車両内からパンチルトズーム機能を使い、作業エリアから距離を置いた状態で湧水箇所や切羽性状を確認できる。試験導入の結果、被災リスクの低減に加え、心理的/身体的負担の軽減が確認された。
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