CONSAIT導入で、もたらされるインパクトは大きく2つ。1つは「効率化」で、記録や調書作成に掛かる時間を大幅削減し、必要なデータを即時に検索できる環境が整う。現場の事務負担が軽減し、本来注力すべき施工管理や品質確保に時間を振り向けられる。
担当者は「調書作成に追われて残業する現場環境を変え、現場を見る時間を増やすための仕組みがCONSAITだ」と説明する。
もう1つは「高品質化」。AIカメラによる自動検知と数値化は、これまで属人的だった検査業務を標準化し、客観性を担保する。若手技術者が熟練者と同等のレベルで検査に関与できるようになり、教育ツールとしての役割も果たす。
ある現場責任者は「新入社員が熟練者と一緒に現場に入り、CONSAITを使いながら検査を学んでいる。教育の質そのものが変わってきた」と語る。
さらに、進捗管理やデータのクラウド共有により、全ての配筋検査でエビデンスを残すことは、“見える品質”となり、発注者と施工者双方の安心感と信頼感も高まる。
第9回 JAPAN BUILD OSAKAで披露されたCONSAITは、単なるアプリ群の集合体ではない。建設現場の根本的な課題に切り込み、検査の在り方を抜本的に変え、人材不足と品質確保という2つの難題に同時に応える可能性を秘めている。
担当者の言葉を借りれば、「効率化だけを追い求めるのではなく、品質を高めることで事故を防ぐ。それがCONSAITの真の価値だ」という。「数値と映像で可視化する“見える品質”が信頼につながる」コンセプトは、施工者と発注者双方にとって新しい安心の形となるだろう。
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