iPad用「配筋検査アプリ」は、検査箇所を選択すると設計情報が自動反映される仕組み。検査進捗はグレー(未実施)、赤(検査中)、緑(合格)の3色で直感的に分かり、写真や図面、検査結果が自動で関連付けられる。担当者は「フロアが増えるほど検査状況の把握は難しくなるが、色分けで進捗が一覧できるので、現場管理者も的確な判断ができる」と説明した。現場ごとの検査データをクラウドで一元化し、後追いの確認や是正対応が迅速に行える。
CONSAITの最大の特徴ともいえるのが、AIカメラの「CONSAIT Eye」だ。パナソニックが独自開発したAI搭載のカメラは、鉄筋本数、ピッチ、径を自動検知し、数値化する。
従来は熟練技術者の目視測定に頼っていた作業をAIが補完することで、若手にも任せられるようになる。しかも数値化による客観的なエビデンスが残るため、熟練者の確認作業も容易で検査品質の標準化につながる。
現場デモに立ち会った社員は「AIと人が協力することで、“なんちゃってチェック”を防ぎ、誰が担当しても同じ品質の検査が実現する」と評価した。
AIカメラは4K対応の3眼ステレオ方式を採用し、ARスケール機能も備え、鉄筋間隔を高精度に測定する。AIカメラはレンタルで提供し、現場導入のハードルを下げている点も普及の追い風となっている。
CONSAITの直近の機能追加では、音声入力機能を搭載した「CONSAIT Pro仕上検査」を2025年10月29日にリリース。騒音環境にも対応した話すだけで指摘事項の自動記録をはじめ、発話内容に応じた業者の自動入力と振り分け、鳥かご表による進捗管理といった機能を搭載。仕上検査のアプリを追加することで、CONSAITは施工の最終工程までをカバーする包括的なプラットフォームへと進化する。
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