スタジオアンビルトは、建設予定地の形状を敷地図や不動産チラシからトレースすると、土地に合う複数の間取りを提案できる注文住宅の営業支援ツール「madreeデータバンク」の新機能を追加した。
スタジオアンビルトは2024年4月25日、注文住宅の営業支援ツール「madreeデータバンク」にAIを実装し、土地の形状から間取りを検索して提案できる機能(β版)を追加したと発表した。
madreeデータバンクは、注文住宅を手掛ける工務店やビルダーなどの住宅事業者向けの営業支援ツール。施主の希望条件に合った間取りを4000枚1万6000パターンから検索して、複数案の間取りを提案できる。
従来は、営業担当者が数日から1週間ほど掛けてプランを作成した後に提案していたが、その場で3分で見せられるようになる。その場で見せることで、「ここがいい」「これはいらない」など、施主がイメージしている間取りをヒアリングできる。
今回実装した土地形状に合う間取りシミュレーションは、madreeデータバンクの「土地形状から探す(β)」の新機能となる。建設予定地の形状を手書きや不動産チラシからトレースし、その土地に合う間取りをAIが検索し、検討地の購入を後押しする。
具体的には、手書きの場合は土地の形状を線で引き、建物が建てられない範囲となる隣地からの離隔距離を設定し、検索。AIがmadreeデータバンクを検索し、間取り一覧の結果が表示される。
建設予定地にいくつもの間取りを作成するのは、住宅事業者に問った負担となっている。新機能を使えば、同じ土地に複数の間取りを当てはめたビジュアル提示が可能になり、ヒアリングしながら間取りプランを見せることで、齟齬を防ぎ、精度の高いファーストプランの作成につながる。
また変わった使い方では、展示場などのイベントで、madreeデータバンクを使った「間取り診断」イベントの開催も想定される。間取りという切り口で、他社で満足な間取りができず、会社を決めかねている施主にも来場してもらえる。
機能追加の背景には、スタジオアンビルトの独自調査結果が影響しており、68%もの人が間取りを原因に候補から外したとの回答があった。除外理由については、1.間取り自体の満足度が低い、2.ヒアリング不足、3.他社を検討したの3つが主な原因となり失注につながっていたという。
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