東京都中野区は、「中野サンプラザ」をデジタルアーカイブとして残すべく、国際航業に委託して計測した3D点群データと点群をもとに作成した3Dモデルを公開した。建物内観はMatterportの360度カメラでも撮影し、Web上で誰でもヴァーチャル見学ができる。
東京都中野区は2024年7月16日、2023年度に公募した中野サンプラザの3Dモデル作成業務委託で、国際航業が作成した建物の3Dモデルを東京都のオープンデータ専用Webサイトに、誰でも使えるオープンデータとして公開した。
VR空間に中野サンプラザを蘇(よみがえ)らせ、専用ビュワーで建物内部の3Dモデルを閲覧できる他、バーチャルツアーやコンサート、イベント開催などの商用でも利用できる。
中野サンプラザは、「全国勤労青少年会館(愛称:中野サンプラザ)」として1973年に開館して以降、さまざまなジャンルのアーティストがコンサートを開催し、音楽の聖地として愛されるとともに、区民をはじめ多くの人々が交流する場だった。
特徴的な外観を持つ建物は、中野区のシンボルとして50年にわたり親しまれてきた。2023年7月の閉館を機に、デジタルアーカイブとして後世に残すべく、計測機器を用いて3Dモデルを作成した。
計測に使用した機材は、外観計測で航空測量センサー「Leica CityMapper-2」、ハンディ型レーザスキャナー「Hovermap ST-X」、iPhone 12 Pro Max搭載のLiDARセンサーを利用したソフトウェア「Pix4DCatch」。建物内部は、FAROの地上レーザスキャナー「Focus S350」、手持ちのレーザスキャナー「ZEB-HORIZON」と「Hovermap ST-X」、Pix4DCatch。
Webビュワーは、3Dカメラ「Matterport」で撮影した建物内部の画像をもとに作成した360度ビューと俯瞰で見下ろすドールハウスビューをMatterport専用Web上で、パスワードを「nakano」と入力すると閲覧できる。データはVRにも対応し、期間は2027年3月27日まで。
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