平和不動産、三菱地所設計、鹿島建設は、東京都中央区の「東京証券取引所ビル本館」で耐震バリューアップ工事を実施し、耐震性能を最新鋭の超高層ビルと同等レベルまで向上させた。
平和不動産、三菱地所設計、鹿島建設は2025年10月23日、東京都中央区の「東京証券取引所ビル本館」の耐震バリューアップ工事を完了したと発表した。ビル屋上に省スペースタイプのTMD型制震装置「D3SKY-L(ディースカイエル)」を設置し、耐震性能を最新鋭の超高層ビルと同等レベルまで向上させた。
今回の耐震バリューアップ計画は、平和不動産を中心に、三菱地所設計と鹿島建設が共同で検討を進めた。改修設計は三菱地所設計と鹿島建設共同企業体が実施。屋上スペースを有効利用できる制震装置として、大地震にも対応可能なD3SKY-Lを採用した。D3SKY-Lは専用開発した積層ゴムを用いた2段構成として、装置を屋上外壁の高さ以下に収めることができたため、建物の外観に与える影響もほぼないという。
耐震バリューアップ工事では、錘重量400トン(最大ストローク±80センチ)のTMDを2基、合計800トンの制震装置を設置。東日本大震災の地震動を用いたシミュレーションでは、建物全方向の揺れを半減するとともに、揺れを強く感じる時間を大幅に低減できることを確認している。
東京証券取引所ビル本館は、1988年4月竣工の15階建てで、設計/工事監理は三菱地所一級建築士事務所、施工は大成建設/鹿島建設他全10社による共同企業体が手掛けた。
耐震バリューアップ工事は、2023年12月から2025年9月にかけて実施。設計/工事監理は三菱地所設計と鹿島建設、施工は鹿島建設。
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