東急不動産、東急コミュニティー、ソフトバンク、SynapSparkの4社は、2026年から東急不動産本社のある東京都渋谷区の「渋谷ソラスタ」で、AIとビルOSを活用したビル管理業務の最適化に向けた実証を開始する。
東急不動産、東急コミュニティー、ソフトバンク、SynapSparkの4社は2025年10月17日、AIとビルOS(データ連携基盤)を活用した次世代ビル管理に関する基本協定を締結したと発表した。2026年から東急不動産本社のある東京都渋谷区の「渋谷ソラスタ」で、ビル管理業務の最適化に向けた実証を開始する。
実証は、データを活用して自律的に進化するスマートビル「Autonomous Building(オートノマスビルディング)」の実現を目指す取り組みとして実施する。IoTセンサーや防犯カメラで取得したデータをAIで分析し、ビル管理業務最適化を図ることで、オフィスワーカーや来館者、ビル管理者に快適で便利な空間の提供を目指す。
4社は2023年から、ソフトバンクが入居する東京都港区の「東京ポートシティ竹芝」で、清掃/警備/エネルギーマネジメントなどのビル管理業務を最適化に向けた実証を進めてきた。清掃では、ごみ箱内の量をIoTセンサーで検知して清掃員に通知する仕組みを導入し、オンデマンドの回収に切り替えた結果、回収回数を約65%、清掃業務時間を1日当たり47分削減。床清掃は、ロボットと清掃員が業務を分担することで1日当たり1966分の業務時間を削減した。トイレ清掃業務では利用状況に応じた清掃回数やルート最適化の仕組みを導入し、1日当たり240分の業務時間削減につなげた。
渋谷ソラスタでの実証はこの成果を踏まえ、規模や設備が異なるビルでも同様の効果が得られるかを検証する。
清掃では、IoTセンサーでごみ箱内の量やトイレの利用回数を可視化する。利用状況に応じて清掃を実施し、ビルの状態に即して清掃員のシフト調整を行うことで、業務と人件費の削減を図る。警備では、防犯カメラの映像をAIでリアルタイム解析して落とし物や立ち入り禁止エリアへの侵入、不審行動を検知する。検知した情報を警備員に通知し、警備員や警備ロボットが対応することで、迅速な対応を図る。さらにエネルギーマネジメントでは、ビル内の人数や天候に応じてAIが空調機や外気取り込み量を自動制御し、室温やCO2濃度を一定に保ちながらエネルギー効率を高める。
東急不動産は、東京ポートシティ竹芝と渋谷ソラスタでの実証結果を踏まえ、2027年以降に他の保有ビルへの展開を計画。さらに、複数ビルを連携させて管理業務全体の最適化を目指すとしている。
各社の役割は、東急不動産が実証フィールドと施設データの提供、東急コミュニティーが現場管理ノウハウの提供と運用設計、ソフトバンクがビルOSとAI/統合管理技術の実装、SynapSparkが設計・施工ノウハウの提供と技術支援を担う。
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