パナソニックEWネットワークスが開発した「SGNIS」は、ビル設備の統合ネットワークとセキュリティ監視を組み合わせたスマートビルのサービスだ。従来のサイロ化された設備管理の課題を解消し、効率化と同時にサイバーセキュリティの安全性も確保する。三菱地所の大丸有エリアで大規模実証を経て商品化し、2025年5月20日に提案を開始した。
パナソニックEWネットワークスが提供する「SGNIS(スグニス)」は、従来は個別のネットワークで管理されていた監視カメラや照明、空調、入退管理といった複数のビル設備を1つのネットワークに統合し、一元管理するソリューションだ。
SGNISの名称は「Security for Grouping Network Immediate Service」の頭文字を取っている通り、設備統合ネットワーク構築に加え、独自のセンター「SOC(Security Operation Center)」による常時監視も提供する。そのため、ビル設備全体の管理効率が高まり、省人化やコスト削減が可能になると同時に、サイバー攻撃への備えも強化できる。
経営企画部 部長 兼 ソリューション事業企画部 部長 谷口佳司氏によれば、2024年12月に設立35周年を迎えたパナソニックEWネットワークスは、これまでネットワーク事業とネットワーク機器の製造に特化し、「“安心のパナソニック品質”で製品とサービスを提供してきた。SGNISには、パナソニックEWネットワークスが長年培ってきたネットワーク技術と現場対応力を結晶させた」と説明する。
旧来のビルでは、入退管理システムや照明、監視カメラの制御システムがそれぞれ個別に独立したネットワークで運用されてきた。その場合、それぞれのネットワークに管理者が必要になり、ネットワークごとにセキュリティ対策を講じなければならず、サイバー攻撃の標的となりやすい脆弱性が生まれやすいという課題があった。
その点、ビル設備ネットワークを統合するSGNISでは、管理者数を最小限に抑えられ、後でIoTに対応した新しい設備も追加できる。また、常時監視のSOCサービスによってサイバーセキュリティの強化も実現する。
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