「建設業の労働時間、10年で年132時間減」働きやすさを6つの指標で独自調査建設業の人材動向レポート(60)(2/2 ページ)

» 2025年09月19日 10時00分 公開
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■有給休暇取得率と男性の育児休業取得率は大幅上昇も、調査産業計を下回る

 厚生労働省「就労条件総合調査」で年次有給休暇の取得率をみると、建設業は2024年に60.7%となり、2014年の40.3%から20.4ポイント上昇した(図表3)。調査産業計との差も、8.5ポイントから4.6ポイントに縮小している。

図表3 建設業の有給休暇取得率の推移 図表3 建設業の有給休暇取得率の推移 出典:厚生労働省「就労条件総合調査」よりヒューマンリソシアが作成

 厚生労働省「雇用均等基本調査」で男性の育児休業取得率をみると、建設業では2022年度の15.49%から2023年度には調査産業計(30.1%)とほぼ同じ水準となる29.7%となった。2024年度には35.5%へと大幅に上昇したが、調査産業計を5.0ポイント下回っている(図表4)。育児/介護休業法の改正も後押しとなり、建設業での男性の育児休業取得率は増加しているものの、他産業との差を埋めるためには、さらなる取り組みが求められる。

図表4 建設業の男性の育児休業取得率の推移 図表4 建設業の男性の育児休業取得率の推移 出典:厚生労働省「雇用均等基本調査」よりヒューマンリソシアが作成

■変形労働時間制適用の労働者割合は45.8%、調査産業計との差は縮小傾向

 続いて厚生労働省「就労条件総合調査」で、柔軟な働き方に関連する指標の1つ変形労働時間制では、建設業の適用労働者の割合は2024年に45.8%だった。2014年の38.6%から7.2ポイント増え、調査産業計との差は直近10年間で10.0ポイントから6.5ポイントに縮小している(図表5)。

図表5 建設業の変形労働時間制の適用労働者割合の推移 図表5 建設業の変形労働時間制の適用労働者割合の推移 出典:厚生労働省「就労条件総合調査」よりヒューマンリソシアが作成

■テレワーク導入率は54.2%、調査産業計を上回る

 総務省の「通信利用動向調査」でテレワーク導入率を調べると、建設業では2014年の9.9%から2024年には54.2%へと大幅に拡大。調査産業計の47.3%を6.9ポイントも上回っている。従来、現場作業が多く導入は部分的であるとされてきた建設業でも、テレワーク導入が積極的に進んでいることが判明した(図表6)。

図表6 建設業のテレワーク導入率の推移 図表6 建設業のテレワーク導入率の推移 出典:総務省「通信利用動向調査」よりヒューマンリソシアが作成

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ヒューマンリソシア

ヒューマンリソシアでは、建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析に関する独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信も行っている。

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