長谷工コーポレーションは2025年9月5日、長谷工シニアウェルデザインと共同で、高齢者施設の来館者手続きの簡略化とスタッフの業務負荷軽減を目的に、顔認証と入館自動インカム通知を組み合わせた入退館管理システムを開発したと発表した。2026年3月までに長谷工シニアウェルデザインが運営する「ブランシエール」シリーズ全38施設に導入する計画だ。
施設では従来、来館者はスタッフによる検温を受け、必要事項を紙に記入してから入館する必要があった。
新システムは入居者の家族やサービス事業者などの顔を事前登録することで、来館時の手続きを省略できる。対象者が入館すると、管理事務所のモニターに訪問者の情報が表示、スタッフが装着するインカムにも音声案内が自動送信される。異動直後や経験が浅いスタッフにも正確な情報伝達が可能となり、ホスピタリティの向上にも期待できるとしている。
検温についても機器による計測後に自動で記録。デジタル管理のため入退館履歴の検索も容易だ。
試験導入した施設では、月間600人超の来館者の受け付けを新システムで対応し、月15時間以上の受付業務の省力化を実現した。スタッフからは「入居者の対応に充てられる時間が増えた」という声が寄せられているという。
高齢者施設の運営では慢性的な人員不足やスタッフの業務負荷が課題となっている。長谷工グループは今後も、ICT機器の活用を通じて業務効率化を支援し、施設利用者へのサービス向上を図る。
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