国土交通省は、河川などに関する技術を体系的に整理した「河川砂防技術基準」の活用を支援するため、生成AI向けの学習用データセットを公開した。
国土交通省は2025年11月4日、河川などに関する技術を体系的に整理した「河川砂防技術基準」を活用しやすくするため、生成AI向けの学習用データセット一式(試行版)を公開した。
データは2025年8月時点のもの。ファイル形式はMarkdownで、調査/計画/設計/維持管理など全8種で構成される。利用者は生成AIを介して、専門性が高く膨大な情報量の文書の中から必要な情報を効率的に抽出できるようになる。
同時に、Googleの「NotebookLM」など無償の生成AIサービスでのデータ活用方法とその留意点、質問の仕方の工夫などをまとめた資料「生成AIによる河川砂防技術基準の活用とその留意点」も公開した。河川砂防技術基準の活用に生成AIを用いる際は、正確性や透明性の観点から検索拡張生成(RAG)を搭載したモデルを使用すること、ハルシネーションが発生するリスクがあるため必ず引用元の記述を確認することなどが示されている。
さらに、河川砂防技術基準に示された関連通知や参考資料を編別に整理したリストを、PDFとExcel形式で公開した。
「河川砂防技術基準」は、河川、砂防、地すべり、急傾斜地、雪崩、海岸に関する調査/計画/設計/維持管理に必要な技術を体系的に整理した文書で、1958年の制定以降、最新の技術や知見を反映しながら順次部分改定が行われてきた。膨大な文章で構成されており、目的とする情報や関連通知、参考資料を探すには多くの時間と手間を要していた。
今回の学習用データセットの整備により、全体を俯瞰した回答が得られるだけでなく、資料中の記載箇所も短時間で確認できるようになり、実務で活用しやすくなった。
PLATEAU:Webブラウザで使える環境シミュレーション「まちスペース」に騒音解析機能を追加、応用技術
スマートメンテナンス:八潮の道路陥没踏まえ、国交省「上下水道DX 技術カタログ」にドローンなど新技術45件追加
Archi Future 2024 Look Back:BIM/CIMを進化させるゼンリンの3D地図と点群 PLATEAUとの比較や熱海災害などの現場事例
メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025:国交省が示す“人口減時代を生き抜く”インフラDX 3割省人化と生産性1.5倍へ
メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025:壁走行ロボやMRなど新技術で目指す“インフラ検査革命”「日本のインフラは日本の技術で守る!」
ドローン:オフグリッド型ドローンポートで斜面監視を遠隔/自動化 AIと点群で差分解析、能登で実証Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10