東急建設、JSP、クギンは、コンクリート打設時に打ち分け不要な耐震スリット材を開発した。垂直スリット材に加え、補強材と中間支持材を組み合わせることで、垂直スリット材の変形を抑制し、打ち重ね不良や表面の色むらを防ぎつつ、柱と雑壁を一度に打設できる。
東急建設、JSP、クギンは2025年3月26日、JSPが製造販売するスリット材の「J-スリット」とクギンの鉄筋トラス付きデッキ補強材「トラストデッキ」を組み合わせ、コンクリート打設時に打ち分け不要な耐震スリット材を開発し、自社開発の「(仮称)宇田川町42計画新築工事」に初適用したと公表した。
鉄筋コンクリート造建築物に広く用いられている耐震スリットは、地震発生時に柱や壁などの損傷を防ぎ、建物の安全性を確保する役割を担っている。従来の耐震スリットは、打設するコンクリートの耐力を踏まえ、1.0〜1.5メートル程度の高さでの打ち分けが必要だった。
今回、従来の垂直スリット材に加え、補強材(トラストデッキ)と中間支持材で打設時の側圧を支持することにより、打設時に垂直スリット材の変形を抑制できる高耐力かつ高剛性なスリットを開発した。
一般的な階高の柱と雑壁がそれぞれ一度に打上げ可能になり、打設管理の効率化やコンクリートの品質向上(打ち重ね不良低減、表面の色むら抑制など)が期待される。
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