東急建設と計測リサーチコンサルタントは、生コン打設作業時にバイブレーターの締固め位置をリアルタイム計測できる「バイブトレーサー」を開発した。
東急建設は2025年2月13日、計測リサーチコンサルタントと共同で、生コンクリート打設作業時のバイブレーターの位置特定技術「バイブトレーサー」を開発したと発表した。バイブレーターの締固め位置をリアルタイムで計測/記録し、タブレットなどで3D表示することで、コンクリート工事の生産性向上を図る。
新装置は2024年7月、千葉県松戸市「馬橋根木内線(幸谷)道路築造工事」の擁壁コンクリート打設で初適用した。
生コン打設作業時に、バイブレーターが正しい位置と深さで使用されていない場合、締固め不足による品質不良が生じる恐れがある。従来は作業員の感覚によって行われていたが、作業位置が高くなると、バイブレーターの正確な位置の把握が難しくなるという課題があった。
バイブトレーサーは、バイブレーターのホース部分に取り付けて使用する。装置に搭載した球形マーカ―を複数台のモーションキャプチャーカメラで感知することで位置情報を特定。また、レーザー距離計でコンクリート打設面からの高さを計測してバイブレーターの締固め位置を把握する。取得した位置情報は計測用PCに3D座標と締固め時間として記録。タブレットにリアルタイムでデータ送信し、3D表示で確認可能となる。
新装置は、擁壁コンクリート工事などさまざまなコンクリート打設工事へ適用可能で、品質不良を抑制し、生産性を向上につながることが期待される。東急建設は今後、他現場の擁壁コンクリート工への導入を進める。
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