次世代型マルチコプターのE600-100は、第一種型式認証に申請中の機体だ。機体サイズは2000×2000×700ミリで、カーボン素材を採用したボディーの総重量は19.9キロ。最大5キロまでの物資輸送能力を目標としている。
第一種型式認証を取得してレベル4飛行を実現することで、ドローン物流の「ラストワンマイル」の課題を解決するとされている。ブース担当者によれば、多くの要望に応えるべく2024年内の認証取得を目指しているとのことだ。
今回初めてモックアップを公開したEAMS VTOLは、経済産業省の中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR事業)の一環として開発中のVTOL機で、長距離物流の実現を掲げている。
ブース担当者は、「当社が開発しているマルチローター機はリポバッテリーで飛行するため、せいぜい飛ばせて30分で距離を稼げない。VTOL機ならば物流拠点間の距離がかなり離れていても対応できる」と説明する。その言葉通り、イームズロボティクスはVTOL機による拠点間輸送と、マルチローター機によるラストワンマイル配送を組み合わせ、統合的な物流システム構築を構想している。統合的な物流システムは、平常時の物流効率化だけでなく、災害時の支援活動にも活用できる可能性を秘めている。
2024年11月現在、日本での第一種型式認証の取得機体は、ACSLの物流ドローン「PF2-CAT3」のみ。この事実は、第一種型式認証取得のハードルの高さを如実に物語っている。
一方、運送業界は深刻な人手不足に直面している。特に2024年4月からの働き方改革関連法による時間外労働の上限規制適用により、業界の課題は今後一層深刻化すると予測されている。こうした状況下で、ドローン輸送が有効な解決策の一つであることは間違いない。
イームズロボティクスは、既に第二種型式認証を取得した「E6150TC」の実績を基盤に、さらなる機体の型式認証取得に挑戦している。運送業界が直面する構造的な課題に対し、技術革新で挑むイームズロボティクス。物流の未来を変革する可能性を秘めた取り組みは、今後も業界の注目を集めることだろう。
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