NTTコミュニケーションズはJapan Drone 2024で、ドローンを活用したインフラメンテナンスの新たな課題解決方法を示唆した。日本と米国約8200キロをつなぐセルラードローン「Skydio X10」のデモは、上空LTEによる遠隔操作と自律飛行ドローンの組み合わせだ。自律飛行ドローンとドローンポート、Wi-Fi機器を組み合わせた自動巡回は、これまで難しかったアナログ計器の点検を省人化する。
NTTコミュニケーションズは、国内最大規模のドローン展示会「Japan Drone 2024」(会期:2024年6月5〜7日、幕張メッセ)に出展し、インフラメンテナンス業界に新たな可能性をもたらす、米Skydioが2023年9月に発売したエンタープライズ向け新型ドローン「Skydio X10」を披露した。
日本のインフラ構造物は現在、重大な岐路に立たされている。昭和の高度経済成長期に集中的に整備された橋梁(きょうりょう)やトンネルなどの多くが、大規模な維持管理を必要とする時期を迎えようとしているためだ。国土交通省の資料「社会資本の老朽化の現状と将来」によると、建設後50年以上経過するインフラは加速度的に増えており、2040年3月までにその割合は、道路橋(約73万橋)で約75%、トンネル(約1万1000本)で約53%、港湾施設(約6万1000施設)で約66%に上る。
インフラの維持管理の重要性が高まる一方、他産業と同様にインフラメンテナンス業界は深刻な人材不足に直面しており、効率的な管理手法の導入が急務の課題となっている。
こうした状況を受け、現場でのドローンの実践的な活用が広がっており、従来の方法では難しかった効率化や安全性の向上を実現しつつある。さらに加速させる可能性を秘めているのがSkydio X10だ。
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