型式認証で空の物流は新たなページへ マルチローターとVTOLの統合型ドローン輸送網Japan Drone 2024(2/3 ページ)

» 2024年11月20日 09時24分 公開
[加藤泰朗BUILT]

実用化で空の物流に変革をもたらす「E6150TC」

 イームズロボティクスのE6150TCは、2024年4月5日に航空法に基づく、安全基準と均一性基準に適合した第二種型式認証の物流用途機体と認められたマルチコプター。ドローン社会実装に向け、達成が求められる飛行技術の到達段階を示した飛行レベル(表2)で、レベル3〜3.5適応の目視外飛行、人口密集地区(DID)上空における目視外飛行※1、目視内での夜間飛行、そして近接飛行※2の4つの特定飛行を飛行許可や申請が要らず、空の物流を大きく前進させる。

※1 レベル3では立入禁止措置が、レベル3.5では機上カメラでの安全確認が必要

※2 人または物件から30メートル未満の飛行

表2 ドローン運用の飛行レベル 表2 ドローン運用の飛行レベル 出典:国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」をもとに筆者作成

 E6150TCは、2015×2216×754ミリの大型で、バッテリーとブレードを含む総重量は18キロ。貨物搭載能力は最大6キロで、260×350×190ミリまでの貨物に対応する。

型式名称「イームズ式E6150TC型」。既存のE6150MPをベースに再設計 型式名称「イームズ式E6150TC型」。既存のE6150MPをベースに再設計
E6150TCの説明パネル E6150TCの説明パネル

 機体の運用は、主操縦士/副操縦士の2人体制で行う。機体は完全フルオートで制御されており、オペレーターは無人オートパイロットソリューション「ArduPilot Mission Planner」を実装したGCS(Grand Control System)で運航全般を管理する。運用時には、両操縦士とも、緊急対応用としてプロポ(送信機)を携帯するが、通常運用では使用しない。

 ブース担当者は「4月に認証取得から間もないにもかかわらず、多数の問い合わせが寄せられている」と話すとおり、市場からの反響と期待は大きい。

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