東洋建設は、水中と陸上の玉外し作業を無人化する無線切離し装置「MIX」を開発した。装置1台で水中から陸上まで全てのブロック据付に使用できるため、潜水士や作業員による人の作業が不要となる。
東洋建設は2024年10月2日、水中と陸上の両方でワイヤの玉外し作業を無人化する無線切離し装置「MIX(ミックス)」を開発したと発表した。
装置は、切離しフックに音波と電波の無線通信機能を備え、作業船上で操作ユニットを作動させると、切離しフックが水中と気中のどちらの領域でも遠隔でワイヤの玉外し操作が可能になる。無線通信は音波と電波の同時通信に対応し、装置1台で水中から陸上まで全てのブロック据付に使用できるため、装置の入れ替えや人による玉外し作業が必要ない。
通常、消波ブロックの据付では、水中の基礎上から水面上までブロックを積み上げる。その際の玉外し作業は、潜水士や作業員の人手によって実施しており、海域でのブロック据付は作業船が波浪の影響で動揺する中で行われるため、潜水士や作業員が動揺したブロックに挟まれる災害が懸念される。
そこで、装置を使用することで、玉外し作業を無人化することができ、ブロック据付工事の安全性が向上する。また、無線の同時通信で水中や気中だけでなく、水面際の飛沫帯でも装置を入れ替えずに据付を継続できるため、作業の効率化にもつながる。
今回、本装置を実際のブロック据付工事に導入した結果、通常の潜水士による玉外し作業を伴うブロック据付に比べて作業効率が約30%向上し、装置の有効性を確認した。
今後は装置を活用してブロック据付時の無人化技術を確立し、海洋工事の安全性と作業効率の向上を目指す。
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