五洋建設とプロドローンは、離着水や海上航行が可能な海洋観測ドローン「Penta-Ocean Vanguard-DroneAqua」を開発した。
五洋建設およびプロドローンは、離着水や海上航行が可能な海洋観測ドローン「Penta-Ocean Vanguard-DroneAqua(POV-DA)」を開発した。
POV-DAは、高精度GNSSや測深ソナー、スラスターを離着水可能なドローンに備える。陸上の操作画面で、現位置(X、Y、Z)や水深を確認できる。測深データにより、水中作業の進捗や土砂投入量の過不足などが確認可能だ。
測深性能については、防波堤や岸壁などの築造工事の施工管理では、水中の施工状況を直接目視で確認できないため、測量船を用いた音響探査機器の深浅測量やロープを海底に投下するレッド測深などが行われている。こうした深浅測量の手法と比べて±10センチ程度の差異にとどまり、実用的な精度を有している。
また、観測地点の平面位置(X、Y)を指定することで、観測地点までの海上航行が可能。加えて、流れや波が生じている際でも、機体を観測地点に定点保持させられる。
GNSSデータから算出した波高や周期が操作画面上にリアルタイムで表示されるため、現地の波浪状況を把握でき、施工可否判断の迅速化が図れる。上空からの空撮も可能で、災害時には陸上、水中両方の状況を速やかに把握する。
モーター軸間距離が1280ミリメートル(折りたたみ時860ミリメートル)、全高が600ミリメートル、機体重量が13キロ(カメラ、バッテリー含む)。最長飛行時間が20分、最高時速が60キロ、飛行可能な最大風速が10メートル/秒、着水時の最長航行時間が60分、着水時の最高航行速度が約4ノットとなっている。IP55相当の耐水性を備えた。
今後は採水器や多項目水質計も採用し、海洋計測を高機能化する計画だ。海上工事における海域環境の調査や保全への適用も図る。
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