鹿島建設は、萩原工業、J&T環境と共同で、建設現場で発生する使用済みプラスチック梱包材を、土のう袋の材料に再生利用する新たなリサイクルシステムを構築した。
鹿島建設は2024年9月17日、萩原工業とJFEエンジニアリンググループのJ&T環境とともに、建設現場で発生する使用済みプラスチック梱包材を土のう袋の材料に再生利用する実証を行ったと発表した。建設現場で分別/回収した廃プラスチック梱包材を再生ペレット化し、土のう袋5万枚を連続的に製造できることを確認した。
実証では都内にある鹿島建設の建築現場で使用済みプラスチック梱包材のみを分別/回収した後、J&T環境で再生ペレット化。萩原工業が再生ペレット15%、バージン材(ポリエチレン樹脂)85%の比率で混合し、土のう袋を製造した。
土のう袋のようなフラットヤーン製品(合成樹脂繊維製品)は、再生原料を用いる一般的なプラスチック成型品に比べて部材厚が非常に薄いため、製造時に粒子径で数十マイクロメートル程度の異物まで除去することが求められる。実証ではJ&T環境と萩原工業が有する高度な洗浄/ろ過技術を活用して異物を除去することで、一度使用して回収した材料(ポストコンシューマー材料)を利用した土のう袋を連続生産できることを確認した。なお、リサイクル材はバージン材に比べて強度が小さいため、実証では再生原料に加えてバージン材を利用している。製造した土のう袋は、鹿島建設の全国の土木/建築現場で試適用し、品質を確認する予定だ。
3社は今後も、建設現場で発生する使用済みプラスチックのリサイクル促進に向けて、再生材を活用した製品の研究を進める。また、原料のバージン材から再生材への転換を図り、サーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みを強化していく。
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