竹中工務店と出光興産は、油化ケミカルリサイクルによる建設系使用済みプラスチックの再資源化に向けた実証実験を開始する。
竹中工務店と出光興産は、油化ケミカルリサイクルによる建設系使用済みプラスチックの再資源化に向けた実証実験を開始すると2023年10月末に発表した。
実証実験では、建設現場で発生した使用済みプラスチックの原料化に向け、竹中工務店が徹底的に分別。出光興産の子会社ケミカルリサイクル・ジャパンが油化ケミカルリサイクル技術を用い、生成油を生産する。出光興産は、生成油を石油化学製品や燃料油の原料として利用できるかを確認し、再資源化の可能性についても検証する。
将来は、出光興産の石油精製や石油化学装置を活用し、建設系使用済みプラスチック由来の生成油を原料とした「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」の生産を目指す。
建設現場では、使用済みプラスチックは多種多様の状態で発生し、リサイクルできない塩素を含有するプラスチック建材も多く含まれるため、本来リサイクルできる塩素非含有プラスチックを分別しきれず廃棄処分されている。
3社は、共同で油化に適する使用済みプラスチックを検証し、建設現場で使用済みプラスチックの分別を試行する。建設系使用済みプラスチックの水平リサイクルを実現し、建設分野でのサーキュラーエコノミー「サーキュラーデザインビルド」の実現を目指す。
出光興産が2022年11月に発表した2023〜2025年度の中期経営計画では、「一歩先のエネルギー」「多様な省資源・資源循環ソリューション」「スマートよろずや」の3つの事業領域の社会実装を通し、「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていくと表明した。取り組みは、多様な省資源・資源循環ソリューションの社会実装を目的とする重点施策と位置付けている。
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