東亜建設工業と建設テックベンチャーのPolyuseは、千葉県内の護岸工事で、建設用3Dプリンタで作製した底型枠を使用し、上部工コンクリート打設に成功した。
東亜建設工業は2024年6月18日、建設テックベンチャーのPolyuse(ポリウス)と共同で、千葉県内で実施した護岸工事において、建設用3Dプリンタで作製した底型枠を使用し、上部工コンクリート打設に成功したと発表した。
底型枠は、3DスキャナーやUAV(ドローン)などで取得した護岸形状の3Dデータをもとに、建設用3Dプリンタで構築するため、護岸形状にフィットした底型枠を作業者の技量によらず簡易かつ効率的に作製できる。底型枠の据え付けは、吊(つ)り鋼材を天端に取り付けた状態で、クレーン付き台船を使用して水上から行うため、潜水士の水中作業を大幅に削減する。
護岸上部工のコンクリート打設における底型枠は、本体工に鋼矢板や鋼管矢板などを使用する場合、打設時の施工誤差が生じるため、潜水士が水中で護岸形状に合うように加工と位置調整を行うことが一般的だ。作業には熟練した技術が求められ安全面と工程面で負担になることから、底型枠作製の効率化と潜水士による水中作業軽減を目的に、新技術を開発した。
今後は新技術の現場導入を進めながら、構造のスリム化や据付方法の合理化など、施工の効率化を図るとともに、3Dプリンタ作製物の適用範囲を拡大する計画だ。
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