三井化学は郡家コンクリート工業と共同で、樹脂3Dプリンティング技術を活用し、意匠性の高いコンクリートを製造する技術を開発した。意匠設計の自由度が高まるとともに、3Dモデルから直接出力するため工期の短縮も可能だ。新製法の展開により、土木建築製造現場のDXを推進する。
三井化学は2024年3月11日、コンクリート二次製品の製造、販売を手掛ける郡家(こおげ)コンクリート工業と共同で、3Dプリンティングを活用した「意匠性コンクリート製法」を開発したと発表した。三井化学が開発した3Dプリンティング向けのポリオレフィン系樹脂を型枠の造形に使用し、郡家コンクリート工業の製造技術と組み合わせることで、デザインの設計自由度を高める。
開発にあたって、三井化学は3Dプリンティング用ポリオレフィン系材料と造形方法を、郡家コンクリート工業は樹脂製型枠を用いたコンクリート製造について、それぞれ検討した。三井化学が開発したポリオレフィン系材料は一般的なポリオレフィンと異なり、3Dプリンティングを行った場合の反りが小さく、良好な形状で造形できるのが特徴だ。
型枠は、CADで設計したコンクリートの型枠のデータをもとに、大型3Dプリンタで造形する。複雑な曲線や穴が開いたデザインなど特殊な形状にも対応する他、3Dモデルから直接出力するため短納期を実現する。鋼製や木製の型枠と比較して施工を省力化し、型枠はリサイクル可能なため廃棄物削減にもつながる。今後は、社会実装に向けた取り組みを進めるとともに、コンクリート枠型以外の用途への展開も検討していく。
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