厚生労働省は、2023年1〜12月の労働災害発生状況を公表した。労働災害による死亡者数は過去最少だったが、休業4日以上の死傷者数は3年連続で増加した。建設業は死亡者数、死傷者数ともに減少した。
厚生労働省は2024年5月27日、2023年1〜12月の労働災害発生状況を公表した。労働災害による死亡者数は前年比19人減の755人で過去最少だった。一方、休業4日以上の死傷者数は前年から3016人増えて13万5371人となり、3年連続で増加した。なお、いずれも新型コロナウイルス感染症への罹患によるもの(死亡者数4人、死傷者数3万3637人)を除いている。
建設業は死亡者数、死傷者数ともに減少している。死亡者数は223人と全業種中で最多だったが、前年比から58人、約2割減った。内訳は、土木工事業が87人、建築工事業が98人、その他の建設業が38人だった。
死傷者数は1万4414人で、前年比で125人、0.9%減少した。 内訳は土木工事業が3852人、建築工事業が7510人、その他の建設業が3052人。事故を型別にみると、依然として死亡者数、死傷者数ともに「墜落/転落」が最多で、死亡者数のうち38.6%、死傷者数では31.6%を占めている。
なお、死亡者数では「飛来/落下」が前年から5人増加、死傷者数では熱中症が含まれる「高温/低温物との接触」が前年から74人増えた。
厚生労働省では、今後の労働災害防止対策として、「墜落/転落」を防ぐため、2024年4月に全面施行した改正労働安全衛生規則を含め、労働安全衛生規則の順守徹底を図る。また、2023年12月に改正した「手すり先行工法等に関するガイドライン」、2024年3月に策定した「木造家屋等低層住宅工事墜落防止標準マニュアル」などに基づく取り組みの適切な実施、さらに、フルハーネス型墜落制止用器具の適切な使用の徹底を図るとした。
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