規模別では、従業員1000人以上の建設業(以下、大規模建設業)の平均年収が、2022年の698万6000円から、2023年には817万1000円となり、前年比17.0%増と大幅な増加となった。
従業員100〜999人(以下、中規模建設業)は、同2.3%増の598万7000円。従業員10〜99人(以下、小規模建設業)は、同3.6%増で480万2000円で、大規模建設業の増加率の高さが際立っている(図表3、4)。
以上のように大規模建設業の平均年収が大幅に増加したことで、中小規模建設業との年収格差※2が拡大している。
年収格差(中小規模建設業の平均年収の大規模建設業に対する割合、比率が高いほど格差が小さい)の推移は、2023年の中規模建設業は73.3%だった。2022年の83.8%から大幅に格差が広がり、全産業平均の85.8%よりも差が大きくなった(図表5)。小規模建設業も2022年の66.3%から2023年には58.8%に格差が拡大しており、全産業平均の75.7%よりも格差が広がっている。
今後、景気回復を背景に、大手企業を中心として賃上げ傾向が続くと思われるが、建設業では中小建設業の賃上げを強力に推進して、大手との年収格差を縮小していくことが重要になることが想定される。
※2 年収格差=各企業規模の平均年収÷従業員1000人以上の企業の平均年収
人手不足が厳しい建設技術者や建設技能工(建設業以外での就業者も含む)で、2023年に平均年収が最も高かったのは建築技術者で632万8000円(前年比2.0%増)。その次に、土木技術者の603万9000円(同5.4%増)、測量技術者の489万1000円(同0.4%増)、建設・採掘従事者(以下、建設技能工)の477万6000円(同4.3%増)の順で、建築技術者と土木技術者は建設業平均(567万円)を上回った(図表6)。
ヒューマンリソシア
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