本連載では、総合人材サービス会社で建設業向けの人材サービスを展開するヒューマンリソシアが、独自に調査した建設業における人材動向を定期レポートとしてお届けする。建設業従事者の人材動向に関する実態を解明し、建設業各社の採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。今回は、文部科学省の「学校基本調査」から、2023年3月の大学/大学院新卒の建設業への就職動向を探った。
今回は、文部科学省の「学校基本調査」から、2023年3月の大学及び大学院新卒の建設業への就職動向について調査した。
■本レポートの要旨
・2023年3月の大学新卒での「建設業」への就職者数は前年比5.1%減少して2万1981人となった
・直近の10年間では29.0%増加しており、産業計の増加率を約10ポイント上回った
・2023年3月の大学院新卒での「建設業」への就職者数は前年比0.6%増加して2658人となった
・直近の10年間では9.0%減少しており、大学院新卒の採用は伸び悩む
文部科学省の「学校基本調査」から大学新卒の「建設業」への就職者数は、2013年の1万7033人から増加傾向にあり、21年には前年比で7.3%増の2万2750人となった。しかし、22年は同1.8%増と増加率は低下して2万3166人、23年には同5.1%減の2万1981人と、減少に転じている(図表1)。
続いて、大学新卒の就職者数を産業別にみると、23年3月の就職者で最も多いのは「卸売業、小売業」の6万3674人、次いで「医療、福祉」の6万3598人、「情報通信業」の5万2574人であった(図表2)。対13年比の増減率では、最も増加率が高いのは「サービス業(他に分類されないもの)」で97.9%増、次いで「情報通信業」で93.6%増、「学術研究、専門・技術サービス業」の75.2%増となった。「建設業」は29.0%増で、増加率では8番目となり、全産業計の増加率19.2%を約10ポイント上回っている(図表3)。
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