ヒューマンリソシアは、「2024年問題」を踏まえ、建設業の人材動向を調査した。調査結果によると、就業時間は減少傾向にあるが、他業界と比較すると、依然として長時間労働の状態が続く実態が判明した。
ヒューマンリソシアは2023年12月21日、建設業にも時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」が迫る背景を踏まえ、建設技術者にフォーカスした人材動向について実態を調査した。
■本レポートの要旨
・「2024年問題」が迫る背景を踏まえ、建設業の人材動向について実態を調査
・建設業の就業時間は減少傾向だが、他業界と比較し、依然として長時間労働の状態が続く
・建設技術者の約17%を65歳以上のシニア層が占め、若手および中堅層の占める割合は大きく減少
調査結果によると、建設業就業者全体の年間の就業時間は、2018年の約2117時間から、2022年には約2026時間に減少。5年間で、年間約92時間、就業時間が短くなったが、2020年以降は横ばいの状況が続いている。
他産業との比較では、年間約207時間で、製造業と比較しても年間約62時間も、建設業の就業時間が長かった。全産業と比較して、平均で月17時間ほど、就業時間が長いことになる(図表1)。
こうした長時間労働の実態は、2023年に入ってからも大きく変わっておらず、1月から10月までの月間就業時間は前年と大きな差異はみられない(図表2)。ヒューマンリソシアでは旺盛な建設需要などを背景に、建設業では、長時間労働の改善が思うように進んでいない状況で、いかに従業員の就業時間を削減しつつ、労働力を確保していくかが大きな課題と指摘している。
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