Terminal.0では5つの重点テーマとして「保安検査改善」「空間デザイン/アート活用」「先端技術、DX推進」「未来航空/宇宙」「働き方検討」を設定した。
例えば保安検査については、検査場の混雑の緩和に加えて、利用者のストレスを解消する方法についても検討する。また、空港には既に一部でロボットが導入されているが、今後もさらに導入を推進するための研究開発も進める。さらに、空飛ぶ車や宇宙への旅が実現した場合にどのようなサービスが必要になるかといった観点でも研究を行う。
池田氏は「例えば保安検査場では、混雑が絶えずに利用者が少なからずイライラし、ストレスを抱えていると仮説を立てている。香りや音、光などの技術を駆使して、ストレスをやわらげたりリラックスしてもらえるのではないか、検討している」と述べた。
Terminal.0のテストフィールドでは、一般の空港利用者が空港に到着してから機内に搭乗するまでの一連の流れを再現している。実際の空港機能や旅客動線を模した設備の模型や実物を設置。入り口にはバゲージドロップ(自動手荷物預け機)や保安検査場を、奥に進むとラウンジスペースや、ボーディングブリッヂ(搭乗橋)の模型なども配置している。
例えば、バゲージドロップでは、コンパクトな移動式の手荷物預け機を設置している。100ボルトの電源があればどこにでも設置可能で、主要な駅やホテルのロビーに普及させることで、空港外で荷物を預けて身軽に移動できる世界を想定して開発を進めているという。
開業当初の参画団体は、32社、1団体、1大学の合計34者だ。鹿島建設やIHI、日立ビルシステム、オカムラなどが参加している。「引き続きメンバーを募集する。一緒に研究開発をしたいという事業者がいればぜひ参画いただき、羽田空港のベストモデルを一緒に作り上げたい」と語った。
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