三菱地所は、東京都千代田区大手町で1958年に竣工したオフィスビル「大手町ビル」で、テナントが入居する環境で段階的に進めていた大規模リノベーション工事が完了したことを公表した。2022年5月26日には、今回のリノベーション工事で新設した屋上の空間「大手町ビルスカイラボ」をオープンした。
三菱地所は、東京都千代田区大手町にあるオフィスビル「大手町ビル」の大規模リノベーション工事が完了したことを2022年5月24日に発表した。同日には、大規模リノベーション工事の概要を紹介する記者発表会と内覧会を開いた。
会場では、三菱地所 運営事業部 統括 川岸浩之氏が大規模リノベーション工事の概要を説明し、SAPジャパン シニア・パートナービジネス・マネージャー Inspired.Lab所長の原剛氏が建物内のコラボレーションスペース「Inspired.Lab」について紹介した。
その後、リノベーションを施した大手町ビル1階の南北通路や改修工事により新設した4階のFINTECH拠点「FINOLAB」、6階のInspired.Lab、7階の就業者向けラウンジ・テラス、屋上の空間「大手町ビルスカイラボ」を披露した。
三菱地所の川岸氏は、「当社は、小割貸し出しに適したフロア形状の創出やオフィス床のバリエーション拡充、多様な企業がコミュニケーションしやすい環境の整備などを目的に、大手町ビルの改修に踏み切った」と話す。
続けて、「大手町ビルの改修工事では、大名小路や日比谷通り、丸の内仲通りといった3つの道路に面している点を踏まえている。大名小路に面する大手町ビル北東側の外観は東京駅や三菱一号館美術館をモチーフにれんが基調とした。日比谷通りに面する建物西側のファサードは、近接する皇居の堀や二重橋を想起させる石垣をイメージしたデザインを採用している。丸の内仲通りが貫通する大手町ビルの中央部分は通り抜け感を演出するためにガラス素材を用いた。さらに、大手町ビルと北側にある街区を結ぶ横断歩道を2019年12月に新設し通り抜けしやすくした」と語った。
主たる外壁素材には、通常のセメントに比べ耐久性や耐火性に優れた耐アルカリ性ガラス繊維補強セメント(GRC)を採用することで、将来の管理コスト削減を図った。窓ガラスには、建物の北面を除いて、断熱性に優れたLow-E複層ガラスと日射フレームを設けることで熱負荷を約44%カットしている。
内装に関して、1階の南北通路では、丸の内と大手町の仲通りで使用されているアルゼンチン班岩を床材として敷設し、丸の内仲通りが貫通する出入り口の壁材一部をガラス素材に変え、通り抜け感を演出した。1階の東西通路では、床材として人工大理石のテラゾーを導入し、壁材は既に設置されている希少な大理石を生かした。
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