前田建設工業は茨城県取手市に新技術研究所を開設する。今後の建設市場の変化に対応するITやIoTを活用した新技術の開発拠点として位置づける。他社との協業による「オープンイノベーションの場」としての活用を目指しているのが大きな特徴だ。異業種連携を推進して1社では開発が困難な新技術の開発を目指す。
前田建設工業は2016年6月、茨城県取手市の社有地に新技術研究所「Maeda Innovation Center(仮称)」(以下、MIC)を建設すると発表した(図1)。国内建設市場の変化に対応する新技術の開発や、異業種との共創を目指したオープンイノベーション拠点として活用していく。2016年内に着工し、2018年に開設する予定だ。
国内建設市場は近い将来、ニーズが新設需要から維持更新へ変化していくと予想される。こうした市場変化への対応と同時に、建設関連企業は省エネルギーや少子高齢化に対応する新技術の創出に加え、さらなる生産性の向上も求められる。前田建設工業が新たに創設するMICは、こうした中長期の経営環境の変化に対応する新技術の開発を目指して開設するものだ。
MICのメインコンセプトは「ハブ・スペース for オープンイノベーション」。ITやAI(人工知能)技術をはじめとするさまざまな技術の高度化が進む中で、1社のみでの先進的な技術開発を行うことは困難とされている。最近では異業種との協業で新しい価値を生み出す、オープンイノベーションの必要性が日本のさまざまな産業で指摘されている。こうした背景を受け、MICはオープンイノベーションを実践する「協創の中核の場」を担うことを狙いとした。
MICには最新の実験施設の導入のみならず、こうしたオープンイノベーションの場を目指し、異分野の企業・技術者と連携しやくする機能を整備していく。国内外の多様な「開発パートナーの実験場」としてMICを開放し、連携・協業による新技術開発を加速させたい考えだ。
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