三井不動産は、2004年からスタートした日本橋一帯の再開発プロジェクト「日本橋再生計画」の展開を加速している。2019年9月27日から始動する日本橋再生計画第3ステージでは、地域に根差した街づくりを進めるとともに、大規模な河辺開発などの革新的な地域開発にも取り組む行う方針だ。
三井不動産は2019年8月29日、東京都中央区の日本橋室町三井タワーで「日本橋再生計画 第3ステージ記者発表会」を開催した。2019年9月27日よりスタートする第3ステージのビジョンについて紹介された。
冒頭、三井不動産 代表取締役社長の菰田正信氏が登壇し、日本橋再生計画の重点構想について解説した。2004年の複合商業施設「COREDO日本橋」開業を皮切りに、幕を開けた日本橋再生計画。第1ステージでは、街の機能に多様性を加える街づくりを推進し、2014年からの第2ステージでは、街の固有の魅力を生かしながら、「産業創造」「界隈創生」「地域共生」「水都再生」の4つのキーワードを基に、ハードとソフトが融合した地域開発を展開した。
2019年3月28日に竣工した商業施設「日本橋室町三井タワー・COREDO室町テラス」の同年9月27日の開業を機に、第3ステージがスタートする。第3ステージでは、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」という開発コンセプトと、第2ステージの4つのキーワードを踏襲しながら、「共感・共創・共発」の街づくりを推し進めていく。
また、旧日本橋区に相当するエリア「GREATER 日本橋」を対象に、街の個性を尊重するエリアマネジメントを繰り広げる。「水辺の再生」「新たな産業の創造」「世界とつながる国際イベントの開催」という3つの重点構想を掲げ、地域開発に取り組む考えだ。
水辺の再生では、東京・日本橋室町1丁目、1丁目東、1丁目中、1丁目1・2番、八重洲1丁目北といった川沿いにある5つの地区の開発と首都高速道路の地下化により、日本橋の象徴となる水都の光景を作り出すという。この5つの地区の開発範囲は、敷地面積6.7ヘクタール(約2万坪)、延べ床面積37万坪。
菰田氏は、「この水辺の開発で、日本橋をハブとする河川舟運(しゅううん)ネットワークを構築し、ウォータフロントの多彩な拠点を緊密に結び付ける。都心ウォーカブル網とこの舟運ネットワークが重なる水都・日本橋は東京の大動脈を生む街となる」と語った。
続けて、「東京駅にも近い都心の舟運ネットワークの拠点となる日本橋は、羽田、台場、芝浦、晴海、豊洲、浅草などのウォータフロントのポイントとつながり、観光や生活動線として新たな移動の選択肢を提供する」と補足した。
また、この5つの地区と東京駅を接続する河辺の経路は、長さ約1200メートル、横幅が川幅含め約100メートルの親水空間を予定している。
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