中国・杭州で総事業費230億円の大規模オフィス「ALPHA PARK」開業、三菱地所海外プロジェクト(1/2 ページ)

三菱地所は、シンガポールの大手デベロッパーCapitaLandが開発を進めている総敷地面積約43万平方メートルの大規模オフィス開発計画で、総事業費230億円の第3期計画に参画しており、このほど対象街区の名称を「ALPHA PARK」に決め、4棟から成る総延べ床面積約23万平方メートルのオフィスビルが開業した。

» 2021年10月18日 11時00分 公開
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 三菱地所は2021年10月14日、2019年より中国・杭州市下沙エリアで、中国においても開発実績が豊富なシンガポール屈指の大手デベロッパーCapitaLandと共同で、大規模オフィス開発事業「Singapore-Hangzhou Science & Technology Park(SHSTP)3期」を進めており、このほど、同プロジェクトによる街区名称を「ALPHA PARK」に決定し、2021年9月30日より稼働を開始したと発表した。

ビル低層部にはコワーキング施設「Bridge+」が2022年春開業

 ALPHA PARKは、RC造地下1階・地上18〜23階建ての高層オフィス、建物をつなぐ空中回廊「スカイテラス」、1万平方メートルを超える中央広場から成る全4棟で構成し、総延床面積23万3683平方メートルで、総事業費は約230億円を超える大規模開発物件。約1.7万人の就業者を見込み、低層部には飲食・物販店舗などの就業者向け利便施設だけでなく、ビルのテナント・周辺企業が自社製品をアピールできる展示スペースや大規模ホールなどを擁する「Alpha Center」も整備する。

「ALPHA PARK」の外観イメージパース 出典:三菱地所プレスリリース
就業者が休憩や打ち合せに利用できる空中回廊「スカイテラス」イメージ 出典:三菱地所プレスリリース

 また、ビル開業に併せ、CapitaLandが中国を中心に展開するコワーキング施設「Bridge+」と、三菱地所が東京・丸の内で運営するインキュベーション施設「EGG JAPAN」との連携も検討しており、低層部には連携後初となるBridge+が2022年春にオープンする。

 Bridge+は、コワーキングサービスを提供するだけでなく、企業と各種リソースをつなぐ「橋」となる役割を担い、企業成長のサポートを行っていく。EGG JAPAN」との連携で、施設の相互利用が可能になり、イベントの共同開催なども検討されており、相互の顧客サービス向上やグローバルにビジネスを展開する企業の支援を行うことで、日中企業間交流や新規ビジネス創出などを促す。

「Bridge+」イメージ 出典:三菱地所プレスリリース

 中国・杭州市は、浙江省の省都で、中国の国内総生産(GDP)の23.5%を占める長江デルタ地域の中核都市の1つとして、2016年のG20を契機に街のインフラ整備が進むなど、今後も発展が期待されている。

 計画地にあたる下沙エリアは、杭州市経済技術開発区(Hangzhou Economic&Technological Development Area)に指定されており、バイオメディカル・Eコマース・AI産業などの企業が集積し、100社以上の日系企業が進出している。Alpha CenterやBridge+の連携など、エリア特性を踏まえた機能を展開することで、エリア一帯のイノベーション創発の拠点となることを目指す。

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