戸田建設は、近赤外線カメラデータを用いた水検知手法に、滴水または滲み水により濡れている範囲(湧水範囲)を判定する機能を新たに追加した。現場での湧水範囲判定にかかる作業の省力化を実現する。
戸田建設は、近赤外線カメラデータを用いた水検知手法に、滴水または滲(にじ)み水で濡(ぬ)れている範囲(湧水範囲)を判定する機能を新たに追加したとを2023年9月27日に発表した。
トンネル切羽における湧水は、切羽の自立を損なう要素の1つと考えられており、工事の安全性や工期などに影響を与える。
そこで戸田建設は、水検知に優れた特徴をもつ近赤外線カメラデータを用いて湧水量を定量的に評価する手法を開発。これまでは、明確な水流が認められた場合の流量を予測する方法だったが、滴水または滲み水などの肉眼では判定が難しい濡れている範囲(湧水範囲)の判定機能を新たに追加した。
湧水範囲判定機能開発のために、近赤外線カメラデータを用いて湧水範囲を判定するための室内実験を行った。白色の花崗岩と黒色の頁岩を利用し、特定の範囲について乾いた状態と濡れた状態の輝度値の中央値を比較した結果、濡れた状態は乾いた状態の10分の1程度の値になることが明らかとなった。戸田建設によると、ある範囲の輝度値の中央値を使用することで湧水範囲が判定できるという。
また、湧水範囲判定機能の妥当性を確認するべく、花崗岩を主体とする現場と頁岩を主体とする現場で実証実験を実施した。その結果、湧水範囲の判定にかかる所要時間は、カメラの設置時間を含めて数分程度で、現場での切羽観察における作業時間を短縮することを確認した。
今後は、データの蓄積を進め評価手法の高精度化を目指すとともに、湧水量および湧水範囲判定手法のシステム化も並行して進めたいと考えており、現場での早期実用化を目指して開発を進めていく。
調査レポート:「関東大震災から100年、防災で家の対策が重視されていない」パナソニック ホームズが調査
CAD:「ARCHITREND ZERO」の最新バージョンが10月18日発売 2025年の省エネ適合義務化やリノベ需要に対応
調査レポート:住まいの防災に関する生活者意識調査の結果を発表
第5回 建設・測量生産性向上展:仮設無しの革新的な“杭打ち”工事を実現する技研製作所の「インプラント工法」
ロジスティクス:メディセオ、約267億円で兵庫県西宮市に医療用物流施設を開設 ピッキングにAIを導入
スマートコンストラクション:鹿島が残コン/戻りコンゼロとCO2削減のシステムを現場適用 改良でCO2固定率20%アップCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10