2022年度に商用化を目指す「水空合体ドローン」、着水後に水中探査の子機が分離Japan Drone2021(3/3 ページ)

» 2021年07月13日 12時41分 公開
[加藤泰朗BUILT]
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水中点検、物資輸送、インフラ点検の各用途に応じた4機種

 他の4機体についても簡単に触れると、「PD4-AW-AQ」は水面に離着陸が可能な防水型ドローンで、ダム点検や漁場管理、サンゴ礁の生育観察といった業務で活用されている。4つのプロペラの下にフロートを装着しているため、着水後も水没せず、バランスを保ったまま水面に浮く。

 機体から送られてくる水中映像は、伝送装置を通して手元のモニターへ送られるため、水中の状況をリアルタイムで確認可能だ。

水面に離着陸が可能な防水型ドローン「PD4-AW-AQ」。左はプロドローンが開発したオリジナル・フライト・コントローラー

 また、「PDH-GS120」は、国産の小型軽量エンジン(2ストローク水平対向2気筒120ccエンジン)を搭載したシングルローター型ドローン。10キロのペイロードで2時間の長時間フライトという特長を生かし、物資輸送、広域監視任務、農薬散布などでの利用が想定されている。機体にはタスクに合わせて、物流ボックス、ズームジンバルカメラ、2眼ジンバルカメラ(ズームカメラ+赤外線カメラ)、レーザー測量装置など、多様な機器を取り付けられる。

「PDH-GS120」。本機体は、JAPAN DRONE 2021主宰の『Best of Japan Drone Award 2021』で、「ハード・ウェア部門」の最優秀賞を受賞

 インフラ点検、消防、定点観察、警備向けの小型クワッドコプター型ドローン「PD4-XA1」は、機体前面に、防振性能を備えたジンバル上にズームレンズを標準装備。ズームレンズは、2眼ジンバルカメラ(ズームカメラ+赤外線カメラ)以外にも、LED、ブザーなどにも付け替えられる。重さは9.4キロ(カメラ搭載時、バッテリー2本含む)、機体を折り畳むと横幅は30センチ以下になり、持ち運びも容易だ。

ドローンの機体制御や運行管理を行うプロドローンオリジナルの「​GCS:Ground Control Station」(左)と小型のクワッドコプター「PD4-XA1」(右)

 マルチコプター型ドローン「PD6B-type3C」は、最大ペイロード30キロを誇る大型機。レーザー測量機や超高精細カメラを積んでも、安定した飛行姿勢で正確なデータを取得する。2019年10月に、愛知県南知多町で離島への医療物資配送の実証実験を行うなど、物資輸送機として、多くの企業での運用実績がある。

最大ペイロード30キロの大型機「PD6B-type3C」
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