最大飛行時間140分のハイブリッドドローンを開発、エアロジーラボJapan Drone2021

エアロジーラボは、最大飛行時間がペイロード無しで140分を誇るドローン「Aero Range Quad」を2021年12月中に発売する。現在、同社は、岡山県の製造会社KOBASHI ROBOTICSと共同で、Aero Range Quadの量産体制構築を進めている。

» 2021年07月08日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 一般的に物流や測量などで使用されるバッテリー式ドローンの多くは、飛行時間が20分程度と短く運用時間が少ない他、現場で長時間使用する際には大量の交換用バッテリーを用意することが求められスタッフの負担となっている。

 上記のような状況を踏まえて、エアロジーラボは、最大飛行時間がペイロード無しで140分を誇り、ペイロードが3キロで60分のドローン「Aero Range Quad(エアロ レンジ クアッド)」を開発した。同社は、建設分野のドローンが集結する国際展「Japan Drone2021|第6回−Expo for Commercial UAS Market −」(会期:2021年6月14〜16日、幕張メッセ)でAero Range Quadをアピールした。

最大ペイロードは5キロ

 Aero Range Quadは、中国のエンジンメーカーRichen Power製エンジンジェネレーターとバッテリーを搭載することで、長時間飛行を実現している。エアロジーラボの担当者は、「Aero Range Quadは、エンジンジェネレーターで発電した電力によりモーターを稼働させるため、長時間のフライトを可能としている」と仕組みについて述べた。

「Aero Range Quad」
「Aero Range Quad」のエンジンジェネレーター

 エンジンジェネレーターを設置している影響で、最大ペイロードは5キロとなっているという。機体下部のアタッチメントは、測量向けや物流向けのものに変えられ、重さが5キロ以内であれば、測量用のセンサーや装置、物流用の運搬機構も取り付けられる。さらに、利用者の要望に応じて、オーダーメイドでアタッチメントの製造に対応する。

 機体の全長は1180ミリで、重さは14キロ(バッテリーを含む)。エンジンジェネレーターの発電量は2キロワットで、排気量は32cc。価格は機体のみで450万円(税別)。オプションとして、他社製の赤外線カメラや暗視カメラ、配送ボックス、スピーカー、超指向性マイク、サーチライト、パラシュートなどをラインアップしている。

 「価格は、通常のバッテリー式ドローンより高いが、ランニングコストは安い。例えば、点検と測量でドローンを5時間使用する場合、最大飛行時間が20〜30分程度のバッテリー式ドローンでは、15分のフライトを20回行い、都度バッテリーの交換が必要で総重量130キロとなる80本のバッテリーを運ばなければならない。しかし、Aero Range Quadでは、バッテリーを2個搭載し、燃料補給をエンジンジェネレーターに2回実施すれば100分のフライトを3回実施できるため、最小限のバッテリーや機材の運搬で、ドローンを飛ばせ、コストを減らせる」(エアロジーラボの担当者)。

バッテリー式ドローン(左)と「Aero Range Quad」などのハイブリッドドローン(右)のランニングコストの比較

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