イームズロボティクスは、測量や災害対応、物流などさまざまな用途で使えるドローン「UAV-E6106FLMP」を開発し、2021年4月1日に販売を本格化した。
一般的に測量用のドローンは、農薬散布や災害対応用、物流用のドローンとして使えないため、測量用のドローンを保有するユーザーが、農業用や被災時用のドローンを使用する場合は、新たに購入するか、あるいは、ドローンを利用したサービスを提供する企業に発注しなければならず費用がかかっていた。
上記の問題を解消するために、イームズロボティクスは、機体の下部に取り付けられるアタッチメント「アセンブリー」を変えることで、測量用や災害対応用、物流用として利用できるドローン「UAV-E6106FLMP」を開発した。同社は、建設分野のドローンが集結する国際展「Japan Drone2021|第6回−Expo for Commercial UAS Market −」(会期:2021年6月14〜16日、幕張メッセ)でUAV-E6106FLMPを紹介した。
UAV-E6106FLMPは、最大ペイロードが4キロで、最大飛行時間は20分のバッテリー式ドローン。最大飛行距離は約18キロで、耐風性能は風速毎秒10メートル以下となっている。最大の特徴は、アセンブリーを変更することで、さまざまな用途で活用可能な点。アセンブリーは現在、測量用の「カメラジンバル」、物流用の「物資搬送BOX」、災害用の「スピーカー」、農業用の「農薬散布機」をラインアップしている。カメラジンバルは、2軸のブラシレスジンバルやソニー製カメラ「sony α6000」、5GHzの映像伝送システム「AMIMON CONNEX」で構成される。
物資搬送BOXは、2キロまでの物資を積める医療物資搬送専用BOXや宅配物を収納するアセンブリーで、スピーカーは避難誘導や警備に役立ち、前方を撮れるFPV(First Person View)カメラを設け取得した映像を地上のモニターに送れ、農薬散布機は液剤と粒剤の農薬をまける。
イームズロボティクスの担当者は、「各アセンブリーは、UAV-E6106FLMPの“ワンプッシュロックピン”で、一般消費者が簡単に工具無しで本体に取り付けられる。ワンプッシュロックピンは、アセンブリーをピンで固定するもので、作業手順も数分で覚えられる。災害時では、メーカーは現地に足を運べなくなるため、アセンブリーの交換を一般消費者がしやすいものに仕上げた他、制御アルゴリズムや電源などを工夫しアセンブリーを取り換えた時に機体の調整を不要とした」と利点を語った。
安全性に関してはフェイルセーフ機能を備えている。フェイルセーフ機能は、ドローンのバッテリー残量が規定値以下や指定した範囲からの離脱、プロポと通信が遮断した場合に機体を自動帰還させる。
UAV-E6106FLMPの全長は1139ミリで、軸間は1106ミリ。全幅は1060ミリで、全高は550ミリ。機体の材質はアルミニウムカーボンファイバー。フライトコントローラーは「Hex Technology Pixhawk2.1」で、衛星測位システムはGPSとGNSSに対応。自動航行装置やプロポとPCを介したテレメトリー機能、飛行ログ機能を実装。視認性LEDは、機体の前部に赤いものを、後方に緑のもの採用した。
「今後、当社では、レーザー測量機向けや監視カメラ用など、さまざまなアセンブリーを開発していく方針だ」(イームズロボティクスの担当者)。
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