チルトローテータのマシンコントロールも可能なICT油圧ショベル、コベルコ建機第3回 建設・測量 生産性向上展(2/2 ページ)

» 2021年06月04日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]
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従来機と比較して生産性が9%向上

 SK135SR-7は、13トンクラスの油圧ショベルで、全体の油圧制御を見直したことにより、従来機「SK135SR-5」と比較して、掘削速度が上昇し、掘削サイクルタイムは8%アップして、生産性は9%上がった。バケットの掘削力はSK135SR-5と比較して17%向上した。エンジンには、従来機から定評のある「iNDr(エンジン冷却システム)」を引き続き採用し、優れた防じん性やメンテナンス性、低騒音性を実現している。

ICT油圧ショベル「SK135SR-7」

 キャブには、ドアの開閉とキーのオンオフに連動して自動点灯・消灯するLEDルームライトを採用し、内部のエアコンは、蒸れやすい腰や肘に直接風を当てられるように配置。キャブ内には、操作レバーやジョグダイヤル、大型10インチカラーモニター、アームレスト付きのメカニカルサスペンションシート、ラジオ、コンソールも設置した。

SK135SR-7のキャブ

 操作レバーは、多様なオペレーターの体格に対応するレバーポジションで、手首を返すことなく水平な操作行え、前進や後進といった建機の動きをコントロールしやすい。ジョグダイヤルは、大型10インチカラーモニターに表示されたコマンド操作するもので、スイッチとダイヤルから成り、LEDバックライトが装着されているため夜間でも視認性が高い。

 ジョグダイヤルのコマンドには、エンジン始動時にパスワードの入力を設定するものやバケット、ブレーカ、ニブラー、回転グラップル、チルトローテータなど計7つの先端アタッチメントに対応する「流量モード」をコントロールするものなどを備えている。

 流量モードでは、スピーディーにアタッチメントを変えられ、指定された7つ以外のアタッチメントを追加することや各モードのカスタマイズにも応じている。また、アタッチメントの高さと深さ表示機能で、アタッチメントの高さを確かめられるとともに、任意の高さと深さでアラームを鳴らすように設定することも可能。

 アームレスト付きのメカニカルサスペンションシートは、優れた衝撃吸収性を備えている他、シートベルト未装着警告機能を導入しており、未装着時にはモニターに警告を表示する。

キャブのデザインの概要

 ラジオは、Bluetooth及びハンズフリー機能付きで、スマートフォンとのペアリングとハンズフリーでの通話に応じている。コンソールはスマートフォンフォルダとUSBポートを備えている。

安全対策とメンテナンス性

 安全対策では、機体の左右と後方に設けたカメラで、機械周囲約270度を鳥瞰的に見渡せるシステム「イーグルアイビュー」を標準搭載している。イーグルアイビューは、左右と後方のカメラ映像をキャブ内のモニターで見られるため、接触事故を防ぐのに役立つ。

 メンテナンス性に関して、バッテリー遮断装置が標準装備されており、スイッチ操作でバッテリーからの通電を止められ、長期休車時の電力消費を減らせ、点検もしやすくする。点検性に配慮し尿素タンクの位置は地上から補給可能な場所とした。

SK135SR-7の仕様

 SK135SR-7の全長は7.43メートルで、全幅は2.49メートル、全高は2.81メートル。重さは1万4100キロ。標準バケット容量(山積/平積)は0.50/0.37立方メートルで、旋回速度は毎分11回転。走行速度(1速/2速)は時速3.4/5.6キロで、登坂能力は70%。最大掘削力は、バケットが105.4キロニュートンで、アームは64キロニュートン。最大掘削半径は8.37メートルで、最大掘削深さは5.52メートル。最大掘削高さは9.18メートルで、最大ダンプ高さは6.75メートル。

 エンジンは「いすず 4JJ1XDRA」で種類は「4サイクル水冷頭上カム軸式直列、直接噴射、排気ターボ過給式付ディーゼルエンジン」。定格出力は、ファン付きで80.7キロワット、ファン無しで86キロワット。回転数は、ファン付きと無しともに毎分2200回転。燃料タンク容量は186リットル。SK135SR-7の価格は1438万円(税別)。

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