キャタピラージャパンは、油圧ショベルを遠隔操作するためのリモートコントロールキットを2019年内に発売する。この建機遠隔システムは、国内の現場で相当数が稼働している同社の主力機「320/323」に“後付け”ができるのが特長だ。災害現場や危険を伴う工事での安全な施工に活躍が期待される。
キャタピラージャパンは、油圧ショベルのリモートコントロールキット「Cat Command(キャットコマンド)」を2019年中に発売する。「建設・測量生産性向上展2019」(会期2019年5月22〜24日、幕張メッセ)の初日、同社ブースで発表した。
発表会では冒頭、代表執行役員のハリー・コブラック氏が、2019年に発売した30トンクラスの次世代油圧ショベル「330GC」と、ICT施工に対応した「330」を紹介した。両機種とも、ベースのスペックは同じで、違いはICT機器を搭載しているかどうか。330GCは、機能をシンプルなものとし、従来機と比べると定期的なメンテナンスコストを20%削減し、燃費性能も優れる。
一方の330GCは、標準装備の2Dベーシック、複雑な地形に応じる2Dアドバンス、i-Constructionに対応したグレード3Dまで、設計通りに施工できるように2次元/3次元でナビゲートする各種「マシンガイダンス」を用意。i-Construction専用仕様機で搭載される「グレード3D」は、3次元の設計データCIMを読み込み、現場を3Dで管理。丁張りが不要で、現場に人の出入りが少なくて済むメリットがある。
他にも、油圧を調整してブームやバケットをコントロールするアシスト機能をはじめ、バケット内の重量またはトラックの積載量が表示される「ペイロード」、周囲に危険が及ばない様に作業範囲を自動で制限する「E-フェンス」などのデジタル機能を備えている。コブラック氏は、「日本では330シリーズはこれから本格的に販売展開する。ICTとベーシックのニーズに合わせた2つのモデルを提案し、燃費や金利のキャンペーンも並行して行っていく。従来機との違いは、デジタルプラットフォームをベースにしていることで、これまでのように新機能が開発されればマシンがフルモデルチェンジされるのではなく、既存のマシンでもアップデートで追加される点だ。絶え間なく続く製品の進化を提供できるのは、キャタピラー最大の強み」と強調した。
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