前田建設工業と日機装は、マンションやオフィスビル、病院などを対象とした各種ウイルスの感染予防対策として、空調設備向け除菌消臭ユニットの共同開発を目的とした業務提携契約を締結した。
前田建設工業と大手医療機器メーカーの日機装は、日機装の持つ深紫外線LED技術を用いた空間除菌消臭装置「Aeropure(エアロピュア)」の技術を活用して、空調設備に取り付ける除菌消臭ユニットの共同開発を進めている。
前田建設工業はこれまで、企業が社会課題に取り組むことで社会的価値を創造する「CSV(Creating Shared Value)経営」の視点から、世界規模での社会課題となっている新型コロナウイルス感染症という社会課題に向き合い、建設を通じてこれらの解決に貢献すべく、空調・換気技術などな検討を重ねてきた。
一方の日機装は、2006年からノーベル物理学賞受賞者とともに「深紫外線LED」の開発に取り組み、新型コロナウイルス感染者の拡大に先んじて、この技術を活用した空間除菌消臭装置のAeropureを販売し、医療機関をはじめ、福祉施設、宿泊施設、飲食店などの感染予防対策に寄与してきた。深紫外線LEDは、2020年5月に宮崎大学 医学部が実施した試験(シャーレ上のウイルス液への照射)で、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)に対して、1秒照射で87.4%、10秒照射で99.9%のウイルスを不活化することが確認されている。
今回の共同開発は、前田建設工業の空調・換気技術と日機装の除菌消臭技術を融合させることで、これまでの感染予防対策を一歩進め“安全・安心な建物を提供して社会に貢献したい”という思いが一致したことで、業務提携に至ったという。
今後、両社は、深紫外線LEDを用いた空調設備向け除菌消臭ユニット及びシステムの開発を行い、集合住宅、オフィス、病院などさまざまな建物へ実装していく。
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