共有部の混雑確認や照明・空調の遠隔操作に応じたオフィスビルが神田で開業プロジェクト(1/2 ページ)

野村不動産は、新型コロナウイルス感染症対策として、在宅勤務やローテーション勤務、サテライトオフィスの活用などが普及している影響で、オフィスの縮小移転、分散化、集約化などが進み、小規模オフィスへの需要が高まっていることを受けて、こういったニーズに応えられるオフィスビル「H1O 神田」を開業した。

» 2021年03月31日 09時00分 公開
[BUILT]

 野村不動産は、従業員10人未満の企業を対象としオフィスビルブランド「H1O(エイチワンオー)」の第6号物件として、東京都千代田区で、「H1O 神田」を2020年12月18日にオープンした。

エレベーターのボタンに触れることなく、勤務先のオフィスへ移動可能

「H1O 神田」の外観 出典:野村不動産

 H1O 神田は、S造地上9階建てで、延べ床面積は2334.66平方メートル。所在地は東京都千代田区神田東松下町41-1で、敷地面積は351.7平方メートル。区画数は全41区画で、ルームプランは、専有面積が、17.62平方メートルの「小」、20〜24平方メートルの「中」、30.07〜60.87平方メートルの「大」といった3種。用途は事務所。設計者は野村不動産一級建築事務所が担当し、施工は西武建設が担った。

 建物は、主な機能として、「ヒューマンファーストコンシェルジュサービス(仮称)」やスマートフォン向け専用アプリ「H1ON」と専用ブラウザによる施設内の状況確認と設備操作、エレベーターの自動呼び出し・行き先階指定、来客をガイドする誘導サインを備えている。

 ヒューマンファーストコンシェルジュサービスは、元保育園・幼稚園教諭や元介護施設従事者、元客室乗務員、元アナウンサーなど、さまざまなバックグラウンドを持つ多様な人材が、H1O 神田に入居する企業のオフィスにコンシェルジュとして訪れる。訪問したコンシェルジュは、該当する専門領域に詳しいリサーチャーと共同で、入居企業に所属する社員の個人的な悩みを解決する。

 H1ONと専用ブラウザは、共用ラウンジやトイレの混雑を確かめられ、密集を回避でき、照明・空調の遠隔操作も可能で、電灯やエアコンの消し忘れなどを防げる。加えて、エレベーターの呼び出し機能や位置情報を活用したユーザー同士の現在位置表示、宅配ボックスの荷物有無に応じたプッシュ通知機能を実装している。

H1ONと専用ブラウザによる共用ラウンジやトイレの混雑状況確認 出典:野村不動産
H1ONと専用ブラウザによる・空調・照明の遠隔操作 出典:野村不動産

 エレベーターの自動呼び出し・行き先階指定は、入館時の顔認証と連動し、エレベーターの自動呼び出しと行先階の自動押下を行え、多くの人が触れるエレベーターのボタンにタッチすせず、勤務先のオフィスへ移動することをサポートする。

エレベーターの自動呼び出し・行き先階指定の利用イメージ 出典:野村不動産

 誘導サインは、事前に入居者から送信されたQRコードを所有するスマートフォンに保存した来客者が、入館時に専用の受付端末にQRコードをかざすと、エントランスなどの共用部に設置されたプロジェクターの映像により、予約された会議室へ案内する機能。必要以上の対面接触を避けるのに役立つ。

誘導サインの利用イメージ 出典:野村不動産

 上記の他、H1Oブランドの共通機能であるコーヒーマシンによるドリンクサービスや健康を意識したヘルシーフードの無料提供、来客の取り次ぎ、会議室への誘導、不在時の宅配物受け取りといったる有人受付サービスも使用できる。

H1Oブランドの共通機能 出典:野村不動産
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