吸気した空気を波長254nmの紫外線で清浄化する除菌装置、DNライティング第7回 CareTEX東京”21

DNライティングは、波長254ナノメートルの紫外線で吸気した空気を清浄化する紫外線除菌装置「くりんクリン Stand」を開発した。くりんクリン Standは、1台で75立方メートルの空間をカバーする。

» 2021年03月29日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 DNライティングは、高齢者の生活を支援する製品や技術、サービスが集結した展示会「東京ケアウィーク”21」(会期:2021年3月17〜19日、東京ビッグサイト)内の「第7回 CareTEX東京”21」に出展し、紫外線除菌装置「くりんクリン Stand」をアピールした。

紫外線ランプは通年で連続運転しても取り換えは1年間不要

 くりんクリン Standは、2020年11月10日に発売された製品で、本体下部の吸気口から、空気を取り入れて、内部の紫外線ランプでウイルスと細菌を無害化し、本体上部の排気口から排出する。搭載された紫外線ランプは、殺菌作用がある波長254ナノメートルの紫外線を放出する。また、内部構造と循環ファンを工夫し、殺菌性能を落とさず、本体の稼働音を35デシベルに抑えている。

紫外線除菌装置「くりんクリン Stand」

 DNライティングの担当者は、「当社では、くりんクリン Standが内蔵している紫外線ランプの効果を確認するために、北里環境科学センターで、新型コロナウイルスと類似するネコ腸コロナウイルスを用いて、不活化試験を行った。試験では、ネコ腸コロナウイルス液1ミリリットルをシャーレに滴下し、紫外線ランプを照射して、ウイルス量をプラーク法※1で確かめた。結果、紫外線で照らす前は46万個のネコ腸コロナウイルスがシャーレ上に存在したが、紫外線を4秒間当てたところ、ネコ腸コロナウイルスの数は5個未満となり、くりんクリン Standに取り付けられた紫外線ランプの有効性が明らかになった」と語った。

※1 プラーク法:ウイルスに感染した細胞の変性を利用したウイルス量の測定方法

くりんクリン Standの紫外線ランプによるネコ腸コロナウイルス不活化試験の結果

 続けて、「北里環境科学センターでは、くりんクリン Standの紫外線ランプが浮遊菌に効き目があるかも試験した。試験では、細菌をミスト化した試験菌液をくりんクリン Standの吸気口から吸い込み、紫外線ランプが点灯している装置内を1回通過させ、紫外線ランプが点いている時と消灯時の排気口における菌数を測り、除菌性能を調べた。結果、浮遊菌数は、紫外線ランプが消えていると190万個となり、紫外線ランプがオンだと930個に減少し、浮遊菌に対しても力を発揮することが分かった」と補足した。

 安全性に関して、くりんクリン Standは、紫外線が本体の内側から放射されない構造のため、周りに人が居ても連続仕様が可能で、本体のカバーを開けると紫外線ランプが停止するので点検もしやすい。

 メンテナンス性について、くりんクリン Standは、フィルタータイプや噴霧タイプの空気清浄機と異なり、日々の補充や交換部品がなく、吸気口にほこりがたまった際に、取り除くという保守作業だけが求められ、維持管理が容易だ。くりんクリン Standの紫外線ランプは通年で連続運転しても取り換えは1年間不要。

くりんクリン Standの吸気口

 くりんクリン Standの種類は、ボタン操作で簡単に運転時間を3時間、12時間、連続から選べるタイマー付きタイプ「GC-152S-TM」とタイマー無しのタイプ「GC-152S」を用意している。両製品ともに設置工事が必要無く、電源があるスペースなら配置できる。

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