住宅の長寿命化に役立つCjK部材とは?長住協住宅ビジネスフェア2020

長期使用住宅部材 標準化推進協議会は、住宅の長寿命化と建物のメンテナンスを容易にするために、住宅部材の標準化を推進している。

» 2021年01月12日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 長期使用住宅部材 標準化推進協議会(長住協) 標準(共通)化評価委員会 委員長 津下清志氏は、住宅の設計・施工や修繕、管理に役立つソリューションが展示された専門展「住宅ビジネスフェア2020」(会期:2020年9月24〜25日、東京ビッグサイト)で、「長期使用対応部材(CjK部材)とは?」と題した講演を行い、CjK部材の長所や一例としてF型桟がわらの粘土瓦について紹介した。

CjK部材は補修部材の管理費カットで効果

長期使用住宅部材 標準化推進協議会(長住協) 標準(共通)化評価委員会 委員長 津下清志氏

 長住協は、経済産業省が管轄する研究会の提言に基づき、住宅部品・部材の標準化を推進する団体として設立された。大手住宅メーカーや建材メーカー、住宅設備機器メーカーが正会員として参加し、住宅部材の標準(共通)化を実現することを目的に活動している。正会員は26社で、関連団体には住宅産業協議会とプレハブ建築協会がある。

 CjK部材とは、メンテナンスを容易にするために互換性を備えた住宅部材を指す。津下氏は、部材に互換性を付与するメリットについて、カセットコンロ用燃料容器の事例を通して説明した。

 「カセットコンロとガスボンベは1991年に、日本工業規格(JIS)によって規格が定められたが、互換性までは定義されなかった。結果、1995年に兵庫県南部地震が発生した際に、現地に救援物資としてカセットコンロが提供されたが、互換性が無かったため、被災地のガスボンベを装着できない事態が生じた。そこで、政府は、ガスボンベとカセットコンロの規格を統一する必要性を認識し、1998年に両製品の規格を見直した。ガスボンベは、ボンベの直径や全長、切り込みサイズを規格化し、どのカセットコンロでも他メーカーのガスボンベを使えるようにした。このように、部材に互換性を備えることで、特定の製品が無くても、他社の製品で補修が行えるようになる」(津下氏)。

 また、互換性がある部材は、保有する補修部材の品種を削減し、管理費カットを果たせる他、特定の部材・部品メーカーが倒産しても、他メーカーの製品で代用できる。

互換性のあるCjK部材のメリット

 F型桟がわらの粘土瓦をCjK部材として標準化する際には、全国陶器瓦工業組合連合会の担当者が参加し、全瓦メーカーが販売しているF型桟がわらの粘土瓦をチェックして、共通化の指標となる基準書を作成した。

 現在、標準寸法のタイプは、「F形U 山幅広タイプ(FUA)」「F型U 山幅狭タイプ(FUB)」「F形フルフラット山有タイプ(FFA)」「F形フルフラット山無タイプ(FFB)」の4種類。津下氏は、「当初、粘土瓦の標準の寸法は1種類にする予定だったが、伝統的な瓦メーカーが金型を作り替えるコストや手間を考慮して、4種類に決定した」と述べ、説明を終えた。

CJK部材のF型桟がわらの粘土瓦
F型桟がわらの粘土瓦の標準寸法

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