素材を生かした「メイド・イン・ローカル」のデザインメソッドが世界へ。建築家・芦沢啓治氏に聞く : Architecture & Interior Design alternatives―Vol.1 (5/5 ページ)
芦沢氏自身のアップサイクルに対する考え方としては、日本最大の木製家具メーカー・カリモクと組んだ「石巻工房 by Karimoku」も一つの答えとなる。カリモクの工場で生産時に発生する端材をはじめ、節・虫食い痕があるため不適格とされる個性的な木材を丁寧に加工する。そうすることで、不要とされるものでも、素材の良さを引き出すことで、"付加価値"と"有用性"を併せ持った長く愛される家具へとリビルドされる。
芦沢氏、トラフ建築設計事務所、NORM ARCHITECTSの3者がカリモクとコラボレートした「architects meet makers」 (Architect:芦沢啓治建築設計事務所、Project architect:芦沢啓治、Photo:Masaki Ogawa) 画像提供:芦沢啓治建築設計事務所
2018年のIFFT/インテリア ライフスタイル リビングの企画展「architects meet makers」 画像提供:メッセフランクフルト ジャパン
芦沢氏は、企画展の意図について、「設計者やインテリアデザイナーに来てもらうことが一番の目的。事務所にいると、建材メーカーがカタログを持ってきてくれるため、展示会にも足を運ぶ回数が自然と減ってしまう。彼らに対して、素材をそのまま生かしながら、どのように再び使うかという、材料に向き合う新たな問題提起となれば」。
その先には、「建築や家具の制作に携わる者には製造責任があり、設計だけを考えればいいのではなく、モノの最終段階やその先の再生産も考慮しなければならない。アップサイクルの思想が広まれば、これまでに無い素材との向き合い方で、クリエイティブリソースを多様化させることにもつながって欲しい」と期待を語った。
(Photo by Takuya Murata)
建築家・横河健氏が「旅」をテーマに曲面大ガラスで“繊細なる無限空間”創出
オカムラデザインスペースRで、「建築家と建築以外の領域の表現者との協働」を基本コンセプトに毎年開催している企画展が第17回目を迎え、2019年8月30日まで開催されている。今展では、建築家・横河健氏を招聘し、「旅」をテーマに作品を展開した。
海外の設計者集団Studio aiと提携、建築・内装・家具のスタートアップ「TOMOSU」
家具ブランド「TOMOSU FURNITURE(以下、TOMOSU)」を展開するDaiKiConnectは、海外のデザイナー集団Studio ai architectsと提携し、デザインマッチングやコーディネートなどの新規事業をスタートさせた。資材の調達や加工業務は、国内最大級の木材・建築資材流通チャンネルを持つヤマガタヤ産業100%子会社の「板蔵ファクトリー」と連携する。両社の協力により、DaiKiConnectは家具だけでなく、建築・内装のデザインから、設計、施工まで幅広い展開を行っていく。
30年以上にわたり「ミラノ・デザイン・ウィーク」のデザイン潮流を調査してきた集大成を披露、凸版印刷
凸版印刷は、長年にわたって現地調査を続けてきた国際的なデザインの祭典「ミラノ・デザイン・ウィーク」のデザイントレンドを解説するプレミアムセミナーを開催した。講師には、昨年まで凸版印刷顧問を務めた梅崎健氏(現・武蔵野美術大学客員講師)を招き、ミラノサローネのCMFP(カラー、マテリアル、フィニッシュ、パターン)の潮流を今となっては貴重になった多数の写真でひもとき、今後のトレンド予測についても解説した。
「目指すはアジア・中東でのシェア確立。カギは新IoTダッシュボード」、日立ビルシステムの事業展望を聞く
日立ビルシステムは、事業の柱であるビルシステム事業で、日立のIoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」をコアに据えた新規サービスの開発に力を入れている。これまで売り上げの大半を占めていたエレベーター(EV)やエスカレーター(ES)の製造販売と保守点検だけにとどまらず、ビル設備の領域でも事業を拡大させ、昇降機とビルサービスの両輪でグローバル市場でのシェア獲得をうかがう。
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