インタビュー
» 2019年11月14日 06時00分 公開

Architecture & Interior Design alternatives―Vol.1:素材を生かした「メイド・イン・ローカル」のデザインメソッドが世界へ。建築家・芦沢啓治氏に聞く (5/5)

[石原忍,BUILT]
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家具の在り方、さらには建築設計の考え方も変える"アップサイクル"

 芦沢氏自身のアップサイクルに対する考え方としては、日本最大の木製家具メーカー・カリモクと組んだ「石巻工房 by Karimoku」も一つの答えとなる。カリモクの工場で生産時に発生する端材をはじめ、節・虫食い痕があるため不適格とされる個性的な木材を丁寧に加工する。そうすることで、不要とされるものでも、素材の良さを引き出すことで、"付加価値"と"有用性"を併せ持った長く愛される家具へとリビルドされる。

芦沢氏、トラフ建築設計事務所、NORM ARCHITECTSの3者がカリモクとコラボレートした「architects meet makers」 (Architect:芦沢啓治建築設計事務所、Project architect:芦沢啓治、Photo:Masaki Ogawa) 画像提供:芦沢啓治建築設計事務所
2018年のIFFT/インテリア ライフスタイル リビングの企画展「architects meet makers」  画像提供:メッセフランクフルト ジャパン

 芦沢氏は、企画展の意図について、「設計者やインテリアデザイナーに来てもらうことが一番の目的。事務所にいると、建材メーカーがカタログを持ってきてくれるため、展示会にも足を運ぶ回数が自然と減ってしまう。彼らに対して、素材をそのまま生かしながら、どのように再び使うかという、材料に向き合う新たな問題提起となれば」。

 その先には、「建築や家具の制作に携わる者には製造責任があり、設計だけを考えればいいのではなく、モノの最終段階やその先の再生産も考慮しなければならない。アップサイクルの思想が広まれば、これまでに無い素材との向き合い方で、クリエイティブリソースを多様化させることにもつながって欲しい」と期待を語った。

 (Photo by Takuya Murata)
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