三菱電機では、ZEB実現のためにさまざまな工夫を行ったという。設備面では、LED照明に「MILIE(ミライエ)」、昇降機に「AXIEZ(アクシーズ)」、ソーラーパネルに「DIAMOND SOLAR(ダイヤモンドソーラー)」、ヒートポンプ給湯器に「三菱エコキュート」などの高効率機器や各種省エネ制御を導入することで、エネルギー使用量を減らしている。
中間期などは、自然の空気循環をベースとした緩やかな環境調整ができる設計で、放射冷暖房パネルやエアコンといった機器を要所に配置し、導入外気の予冷などが行え、温度管理に要するエネルギーを低減できる。吹き抜け空間上部の熱だまりを利用する重力換気に対応した構造となっているのも特徴だ。
加えて、備え付けの給湯器「業務用エコキュート」から排出される冷排気は、ダクトを土中に埋設した経路「クールチューブ」を通すことでさらに冷却し、建物内の各階に設置された熱交換・換気装置「ロスナイ」から給気されるシステムとなっており、外気負荷を軽減する。これらの装置や各フロアの給気ファン、ダンパーはコントローラーで一元管理されており、条件に合わせて最適な運用を行う。
空調や照明、換気機器は、入退室管理により在室人数に基づき運転する仕様となっており、無駄なエネルギーを消費しない。
建物の運用は、2019年2月13日に発表した「ZEBを運用するためのビルシミュレーション技術」を利用する。この技術は、BIMを活用し、施設内の三菱電機製設備の動作を模擬するビルシミュレーターを対象の建造物ごとに生成し、消費エネルギーを高精度に予測できるもので、温度・湿度・風速などから快適性を予想するこも可能だ。
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