最新機器としては、2026年6月15日にレンタルを開始したアクティオオリジナルの特殊排水処理装置「ナノセパレーター」だ。薬剤(凝集剤)を一切使用せずに、物理的なろ過のみで高度な水処理を実現した。
装置内部には、ストロー状の極細管を束ねた「UF(ウルトラフィルトレーション)膜」を6本搭載。膜にポンプで圧力をかけた排水を通すことで、10ナノメートルレベルというウイルスやバクテリア、アスベスト、さらに鉛やヒ素、六価クロムといった有害物質まで物理的に除去できる。
深沢氏はナノセパレーターが生成する水の清浄度について、「水道水の濁度基準は『2』だが、ナノセパレーターでろ過した水はほぼ『0』になる」と解説した。
ダイオキシン類に関する極めて厳しい排水基準「10pg-TEQ/L」をクリアする性能も備える。薬剤を使わないため、処理水に余計な化学成分が残留しない。深沢氏は、飲料水としての利用はできないもののとした上で、「現場のトイレなどの生活用水としては十分に活用できる」と資源循環のメリットを語った。
アクティオのナノセパレーターは、サイズ面でも優位性がある。ナノセパレーターは、複数の装置を組み合わせる従来の方式に比べ、設置面積を約半分以下に抑えられる。3300(幅)×2000(高さ)×2000(奥行き)ミリのコンパクトなサイズは、地下水くみ上げによる土壌回復工事など、スペースが限られた現場でも高度な処理を可能にする。
高度な水処理を支えるもう1つの革新が、濁水処理装置向け「薬品自動注入システム」だ。
従来の濁水処理では、PAC(ポリ塩化アルミニウム)や高分子凝集剤といった薬剤の投入量を作業員が頻繁に調整する必要があった。アクティオが開発したシステムは、センサーで原水の濁度や処理後の水質をリアルタイムに検知し、水質の変化に合わせて最適な薬剤量を自動でコントロールする。
検証の結果、薬剤補充の作業時間を従来比で88%低減し、薬剤の使用量自体も78%削減することに成功した。また、夜間や休日に排水がきれいになると、自動的に注入をストップし、環境負荷の低減とコストカットにつながる。
システム自体は既存の装置に後付けすることも可能で、インターネットを通じた遠隔監視にも対応する。

濁水処理装置のとなりにある灰色のボックスが自動濁水処理を行う制御部。濁水処理装置に設置したセンサーや機器類からの情報を分析し、薬品の注入量を自動的にコントロールする。内部のPLCに薬品の注入テーブルなどがプログラミングされている他に、水処理の効率化に寄与する機器としては、「pH処理装置」も提供している。原水に炭酸ガス(二酸化炭素)を注入してpH値を調整するタイプで、展示品は1時間あたり6000リットルを処理する。
アクティオの水処理技術は、建設現場に留まらず、災害時の生活用水確保や環境保全など、社会の広範なニーズに応える。災害時には河川水をナノセパレーターでろ過し、飲料水専用装置と組み合わせ、貴重な水資源を確保する活用も想定されている。
セミナーの最後には、今後はナノセパレーターの小型版(処理能力毎時2.5立方メートル)を開発する方針についても言及。環境規制の厳格化と人手不足という二大課題に直面する建設業界で、アクティオが提唱する「環境負荷低減」と「生産性向上」の共存は、これからの現場でスタンダードとなっていくかもしれない。
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