アクティオは長野県千曲市に、国内最大級の整備拠点「長野ちくまテクノパーク統括工場」を開設した。最新の自動化設備による省力化に加え、自社での車検対応で整備技術も高度化。他にもヘリポートなどBCP対策も有し、地域社会との共生も目指す。
アクティオは2026年5月13日、長野県千曲市に新設した「長野ちくまテクノパーク統括工場(以下、ちくまテクノパーク)」の内覧会を開催した。
ちくまテクノパークは、栃木県にあるアクティオ工場の「佐野テクノパーク」と三重県の「いなべテクノパーク」の中間に位置し、長野県、石川県、富山県、福井県、新潟県といった北信越エリアをカバーする建機供給と整備体制の拠点となる。
千曲市に新設したテクノパークは、アクティオ9カ所目の大型整備拠点となる。アクティオは、かつて長野県内に4つの整備拠点を持っていた。しかし、拠点が分散すると人材や技術の分断が起き、高度化する新しい建機への対応も難しくなる。ちくまテクノパークは、こうした問題を工場の統合によって解消し、さらに強固なBCP対策も講じた。
BCP対策の起点となったのは、2019年の台風19号による千曲川の氾濫(はんらん)だ。その教訓をもとに、浸水リスクが低く交通の利便性が高い千曲市八幡地区を選定することで、災害時でも止まらない拠点を目指した。
アクティオ 代表取締役社長 小沼直人氏は、事業の本質を「メーカーが作った製品を管理し、汚れた建機を新品同様に復元して次の顧客へ貸し出すこと」と定義する。マニュアル通りに組み立てる製造とは異なり、建機のメンテナンスは使用状況や経年によって必要な作業が大きく異なるため、蓄積されたノウハウと高い技術力が必要となる。そのため、小沼氏は「ちくまテクノパークは、物を直す技術をさらに高めていくための『学びの場』でもある」と技術伝承へも強い意欲を示した。
建設業界全体が直面する人手不足への対策も、新工場の重要なテーマとなっている。小沼氏は「きつい、汚い、危険という“3K”のイメージを払拭したい」とし、洗浄の自動化や最新設備の導入で作業負荷を軽減する方針を示した。
ちくまテクノパークでは、整備に携わる人が付加価値の高い仕事に集中し、若い世代が「社会に役立つ仕事」として誇りを持って働ける環境を整えている。小沼氏は、AIなどの最新技術を活用し、経験の浅い若手でも早期に熟練工へと成長できる仕組みの構築にも着手する計画を明かした。
ちくまテクノパークは、約100人を擁する国内最大級の敷地面積9万1104平方メートルの大規模工場だ。統括工場長の長尾勝徳氏が案内した工場内には、生産性と安全性を両立させる最新鋭の設備を配備した。
停電時に威力を発揮する電源装置は、停電時でも照明や通信など工場機能を維持する。発電機近くには、衛星通信のStarlink(スターリンク)のアンテナも設置している。
ちくまテクノパークで象徴的なのは、建機や車両などの洗浄設備が充実している点だ。その1つ、建機の「足回り自動洗浄システム」はメーカーと共同開発したものだ。従来であれば泥だらけの建機を手作業で洗浄するには丸1日を要することもあったが、自動洗浄システムはプールで泥をふやかした後、高圧回転ノズルが自動的に洗浄する。洗車時間は劇的に短縮し、約1時間できれいになるという。
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