気象庁は2026年4月、最高気温40度以上の日を「酷暑日」と呼称することを決定した。近年は40度超えの日が非日常ではなくなるほど増え、屋外作業が主の建設業界にとって暑さ対策は最優先事項となっている。建機レンタル大手のアクティオは、6分で設営可能なテント型休憩所「冷える〜む3」をはじめ、さまざまなアプローチで酷暑日を乗り切る暑熱対策製品を提案する。
アクティオは2026年4月21日、埼玉県加須市の建築保安埼玉工場で「暑熱対策プレスセミナー」を開催した。2025年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則への対応や、現場の声を反映して開発された冷房機能付きテント型休憩所の新商品「冷える〜む3」を含む、多様な暑熱対策ソリューションを紹介した。
2025年の夏の平均気温は1898年の統計開始以降で最高となり、2026年も同様の傾向となる予想だ。アクティオの上席執行役員/広報部長の進浩氏は、「暑さ対策は、建設会社の職人たちの健康を守るための喫緊の課題だ。同時に工期への影響も無視できない」と述べ、現場の多方面に悪影響を及ぼすことを指摘した。
作業員の健康面では熱中症のリスクが飛躍的に高まり、最悪の場合は命に関わる事態を招く。2025年の職場での熱中症死傷者数は1681人と過去最高を記録した。業種別では建設業が製造業に次いで2番目に多く、死亡者数に至っては最も多い。
健康面以外での問題もある。暑さは「モノづくり」の品質にも影響する。営業企画部 課長の丸尾大地氏は、「高温による乾燥によってコンクリートのひび割れを誘発しやすくなり、養生時の厳密な温度調整が必要になる」と話す。
また、暑い時間帯を避けて施工するために作業効率が低下し、結果的に工期が遅延してしまう。他にも、作業用機器に使われるリチウムイオンバッテリーの発火リスクといった二次的な被害も懸念材料だ。
法の整備も進んでおり、政府は2025年6月1日に改正「労働安全衛生規則」を施行した。全事業者に対し、熱中症の重症化を防ぐための具体的な防止措置の実施を義務付けた。
具体的には、WBGT(熱中症予防を目的とした暑さ指数)が28度以上、または気温31度以上の環境下で一定時間以上作業を行う場合、体制の整備や関係者への周知が求められる。義務に違反して対策を怠った事業者には、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があり、法的コンプライアンスの観点からも暑熱対策は避けて通れない。
こうした状況の中、「レンサルティング(レンタル×コンサルティング)」を事業の指針として掲げるアクティオは、単なるレンタル会社の領域を超え、夏場の過酷な建設現場の要望に応えるソリューション群をコンサルの手法を用いて提案している。
進氏は、「当社の使命は現場の安全を守ることだ」と強調する。暑熱対策商品の売上は一昨年比で20%増、昨年比で15%増と着実に成長しており、「それだけ現場のニーズが切実なことを物語っている」と語った。
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