日立建機は、鴻池組の協力でバッテリー駆動式ショベルの複数台同時稼働の実証試験に成功した。電源が乏しい現場でも、独自のエネルギー管理システムと可搬式充電設備「Go-ENE」の連携により、充電待ちや電欠による作業停止を防ぐ画期的な成果といえる。
日立建機は2026年5月19日から21日の期間、鴻池組の協力を得て、群馬県前橋市の施工現場で建機運用の実証試験を実施した。九州電力と共同開発した可搬式充電設備「Go-ENE(ゴーエネ)」を活用し、バッテリー駆動式ショベル2台の同時稼働に成功した。
世の中の脱炭素の流れを受け、建設現場で電動建機(GX建機)の普及が進む中で、最大の壁となるのが「現場の電源環境」だ。インフラが十分に整っていない現場で複数台を稼働させれば、充電待ちや電欠(バッテリー切れ)による作業停止リスクが伴う。
日立建機は課題解決のため、現在開発中の「エネルギーマネジメントシステム」を実証に投入。1日の作業内容に応じた建機の稼働計画を設定し、バッテリー残量の推移予測に基づき、最適な充電タイミングを事前計画する画期的な仕組みだ。
施工中も、予測値と実際のバッテリー残量の変化をリアルタイムでモニタリング。充電タイミングや充電方法を常に最適化することで、複数台を動かしても充電待ちや電欠による作業停止を未然に防ぎ、安定した運用を実現した。
実証の現場となったのは、日立建機日本の新前橋営業所新築工事。作業は、バッテリー駆動式ショベル「ZE85(0.28立方メートルクラス)」で盛り土の掘削と埋め戻し、「ZE135(0.52立方メートルクラス)でダンプトラックへの土砂積込みをそれぞれ行った。クラスや作業負荷の異なる2台の電動建機が同時に動く状況下で、的確にエネルギーを管理したことは、今後の電動建機普及に向けた大きな前進となる。
現在、電動建機を現場へ導入する上で、現場ごとに大きく異なる電源環境や作業条件にいかに柔軟に対応するかがハードルとなっている。
日立建機は今回の実証試験を通じて、顧客が電動建機の導入や運用を具体的にイメージできるように、実践的な運用モデルの構築を目指す。実証で得られた貴重な知見を生かして運用モデルを構築するとともに、顧客やパートナー企業と連携し、建設業界のカーボンニュートラル実現に貢献する方針だ。
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