KDDIとKDDIスマートドローンは、1人の遠隔操縦者が、全国複数拠点のドローンポートから10機のドローンを同時運航する実証に成功した。
KDDIとKDDIスマートドローンは2026年5月21日、東京の拠点にいる1人の遠隔操縦者が、北海道や石川県など全国複数拠点のドローンポートから10機のドローンを同時運航する実証に成功したと発表した。カメラ映像の監視のみに依存しない運航監視体制の有効性を確認した。
実証は2026年3月23日から4月27日にかけて、北海道/千葉県/東京都/石川県の複数地域で実施。NEDOの「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)」における「複数ユースケースにおける多数機同時運航の事業化に向けた統合的な研究開発」の一環として行われた。
従来の多数機同時運航では、操縦者が各機体のカメラ映像を常時監視する必要があり、安全確保のため同時運航可能な機体数は最大5台程度が限界だった。今回の実証では、人間によるカメラ映像の常時監視を一部システムに置き換える有効性を検証。10機同時に遠隔目視外飛行を実施した。
両社が各地に常設するドローンポート「Skydio Dock for X10」を活用し、東京の拠点から運航管理システム(UTM)を用いて、機体情報、バッテリー残量、位置/高度などのテレメトリー情報を一元管理。これにより、気象条件などの運航環境が異なる複数拠点でも、安全に10機を同時運航するための機体/システム/運用手順の要件を確認した。
通常飛行時に10機全ての状況をテレメトリー情報監視で正確に把握し、各機体が問題なくドローンポートへ着陸できることを確認した。映像監視に依存しない運航管理でも、安全な運航が可能であることを検証した。
また、同時運航中に、バッテリー残量低下など操縦者の介入を要する異常を複数機体で同時発生させる検証も実施した。操縦者はテレメトリー情報から異常を迅速に検知し、カメラ映像も含めた状況確認を基に優先順位を判断した上で、全機を安全に緊急着陸させた。両社は、実証の結果から異常時における運用手順の有効性を確認したとしている。
さらに、視線計測による比較検証と、NASAが開発した作業負荷の評価指標「NASA-TLX」を用いた調査を実施し、UTMによるテレメトリー情報主軸の監視体制が、操縦者の集中力維持や疲労軽減に有効であることを確認した。
両社は、AIドローンを全国1000拠点へ配備し、全国どこでも10分以内に遠隔操縦のAIドローンが駆け付け可能となる社会基盤の構築を目指している。今回の実証で得られた知見を活用し、ドローンの社会実装を加速させる方針だ。
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